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[No.150] 複眼的にものを見る、事物決定における日本の課題:臨床眼科学会の嘉山孝正先生講演

清澤のコメント:臨床眼科学会の特別講演です。医学や医療を哲学的に見るかとのできる稀な先生です。東北大学の講師をされていた頃に、当時の鈴木二郎教授の脳外科回診を一緒に回らせていただいた日々を懐かしく思い出します。

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複眼的にものを見る、事物決定における日本の課題

視覚路には腹側視覚路と背側視覚路がある。このように結論を出すのには2つの経路がある。

①理念前提⇒結論からの演繹法と、②経験からの帰納法である。

2000年以降大規模店ができて地方都市が崩壊した。それは予想できたはずだ。

演繹法は結論が論証がなされなくてはならない。日本では、世論が一方に走り、不幸な結論になる事が多い。

赤福論争:あの時、食中毒の予防と環境保全の理念が対立したはずだ。正しい結論にはレグラトリ―リサーチ(論証)が必要だ。クレバーでなくワイズである事が必要。

日本では検診が重視されるが、がん検診を増やすことだけが正解か?目的は、死亡率の減少。早期発見が有効に働いているのか?

がん検診の提供体制の現況は:組織型になってはいない。任意型がん検診、市町村、企業などが分担している。

現状では受診率の国際比較ができない。日本はコホート研究の医療情報の質が低い。

イギリスではマンモグラフィーが行われて乳癌が減ったという実績がある。

日本は医療へのフリーアクセスが宝である。診療が検診化している。そして、幸福感と呼吸器系以外の評価はOECDの1位である。

フリーアクセスが制限されれば日本の医療の質は下がる。早期発見に検診が役立っているかどうかは検証されていない。

医学教育について:教育は各大学で独自のものであった。昭和62年に共通の臨床実習の導入が行われた。

日本の医療の成果は良かった。

先ず臨床実習の導入が提言され、導入される。共用試験も行われた。平成16年に初期の臨床研修の必修化が導入された。

文部省による改革と厚生省による改革が逆を目指していた。

その後、研究者の減少、医師の地域偏在、診療科の偏在が起きた。

教育組織としての大学院を専門医教育に使ったため、弊害が起きたのだ。

 

 

 

 

 

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