角膜疾患

[No.3264] 角膜の微細な傷;瀰漫性表層角膜炎、点状表層角膜炎について説明します

瀰漫性表層角膜炎、点状表層角膜炎について、一般患者さんに説明します。
1. 症状

瀰漫性表層角膜炎や点状表層角膜炎は、角膜(黒目の表面)に小さな傷ができる疾患で、以下のような症状がみられます。

  • 目の異物感(ゴロゴロする)
  • 痛みやしみる感じ(特にまばたき時)
  • 充血(目の赤み)
  • 涙が増える(流涙)
  • まぶしい(羞明)
  • 視力の低下(症状が強い場合)

症状の程度は軽いものから強いものまでさまざまで、軽い場合は少し違和感を感じる程度ですが、重症になると強い痛みや視力障害を伴うこともあります。

2. 所見

点状表層角膜炎では、角膜の表面に細かい傷(点状の障害)がみられます。
上記とほぼ同義で瀰漫性表層角膜炎は、角膜の広い範囲に炎症が広がるタイプで、フルオレセインという色素を用いた検査をすると、角膜表面に細かい染色が確認されます。

3. 主な原因

  • ドライアイ(涙の質や量の異常)
  • コンタクトレンズの使用(酸素不足や長時間装用)
  • ウイルス感染(例えばアデノウイルス)
  • アレルギー性結膜炎
  • 紫外線やホコリ、花粉などの刺激
  • 薬剤の影響(防腐剤入りの点眼薬など)

4. 対策・治療

① 原因を特定し、対策をとる

  • ドライアイが原因の場合 → 涙の補充(人工涙液)、涙点プラグの装着
  • コンタクトレンズが原因の場合 → 一時的に装用を中止し、角膜の回復を待つ
  • アレルギーが原因の場合 → アレルギー用の点眼薬を使用
  • ウイルス感染の場合 → 休息をとり、重症例ではステロイド点眼や抗ウイルス薬を考慮

② 角膜の保護と回復を促す

  • ヒアルロン酸点眼ヒアレイン目の潤いを保つ)、ジクアス(涙液分泌を増やす)、レバミピド(角膜の摩擦を減ずる)
  • ビタミンB12含有の点眼薬(サンコバ、角膜の修復を助け、眼精疲労を和らげる)
  • 抗炎症点眼薬(必要に応じて)

③ 日常生活での注意点

  • 長時間のデジタル機器使用を控える(ドライアイ対策)
  • 外出時にサングラスを使用する(紫外線から保護)
  • 定期的に点眼薬を使用する(特にドライアイやアレルギーのある方)

まとめ

瀰漫性表層角膜炎や点状表層角膜炎は、角膜の表面に傷ができる病気で、ゴロゴロ感や充血、痛みを伴います。ドライアイやコンタクトレンズ、ウイルス感染などが原因となることが多いため、適切な対策をとることが重要です。治療をすれば、その多くは短期間で解消します。気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診しましょう。

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