ビジュアルスノウ

[No.4275] ビジュアルスノウ症候群(VSS)とともに生きる皆さまへ ――VSI 創設者シエラ・ドムさんの言葉から学ぶ“前に進む力”

ビジュアルスノウ症候群(VSS)とともに生きる皆さまへ

――VSI 創設者シエラ・ドムさんの言葉から学ぶ“前に進む力”

(注:これはビジュアルスノウイニシアチブからの最新のメールマガジンの翻訳です。)

ビジュアルスノウ症候群(VSS)に悩む世界中の患者さんを支える団体「Visual Snow Initiative(VSI)」の創設者、シエラ・ドムさんが雑誌 Bold Journey に紹介されました。彼女自身も VSS を抱えながら活動しており、その経験から語られる言葉には、患者さんを励ます力があると感じます。

今回は、そのインタビューから、VSS とともに生きる皆さんに役立つメッセージを選び、わかりやすくご紹介します。


■ 困難を乗り越える力は、「特別な人だけのもの」ではない

シエラさんは、「立ち向かう力(レジリエンス)」についてこう言っています。

「人生の困難に完璧な準備などできません。

ただ、その時できることを一つずつ行ってきただけです。」

これは、VSS のように治療が確立していない症状と向き合う方にとって、とても大切な視点です。

“完璧でなくてもよい”こと、“今できることをするだけで十分”というメッセージは、多くの患者さんを励ますのではないでしょうか。


■ 前に進むために大切な3つの力

シエラさんが挙げる「大切な3つの力」は、VSSと向き合う患者さんにもそのまま当てはまります。

① 自分で考える力

症状は人によって異なり、表れ方も経過もさまざまです。

だからこそ、

  • 他人の評価に縛られない

  • 情報を受け取るときは「自分で考える」

ことが大切だと話します。

② 柔軟に適応する力

一つの方法がうまくいかない時、別の方法や生活の工夫を試す柔軟さは、VSS患者さんにも重要です。

  • 休息の取り方を変える

  • まぶしさへの対策を試す

  • 心身の負担を軽減する方法を探す

こうした小さな適応が、生活の質を大きく改善することがあります。

③ 粘り強さ(レジリエンス)

症状が続く中でも、「今日できること」を積み重ねていく姿勢が、前に進む力になります。


■「あなたの歩み方でよい」――シエラさんの言葉が伝えるもの

VSSは、見た目にはわかりにくく、周囲に理解されにくい症状でもあります。

そのため、患者さんが孤独を感じやすい側面があります。

しかしシエラさんは、

「誰かの常識に自分を合わせる必要はありません。

自分のペースで、できる方法を探していけばよいのです。」

と語ります。

この姿勢は、VSSとともに生活する皆さまにも非常に大切な考え方だと感じます。


■ 院長より

VSS は研究が進んでいる途中の疾患で、確立した治療法はまだありません。

しかし、世界中で研究が加速しており、支援団体の活動も広がっています。

そして何より、患者さん一人ひとりが「自分の症状と向き合い、工夫しながら生活する」その姿勢こそが、前に進む力につながります。

シエラ・ドムさんの言葉は、まさにその励ましになるものです。

当院としても、VSSで困っている患者さんに寄り添い、最新の知見を共有しながら一緒に歩んでまいります。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. 眼瞼けいれんと内服薬治療の最新知見――世界27,000例を解析した研究から見えた実態

  2. ビジュアルスノウ症候群(VSS)とともに生きる皆さまへ ――VSI 創設者シエラ・ドムさんの言葉から学ぶ“前に進む力”

  3. ChatGPT が作る文献の“引用捏造”はどこで増えるのか;論文紹介