視覚雪症候群患者におけるニューロオプトメトリック視覚リハビリテーション療法の有効性(⇔出典はこちら)
ビジュアルスノウに対する治療の試みには、薬剤によるものの他にこのように神経心理学的な方法も試みられているようです。この研究では生活の質を評価するのに治療効果はNEI-VFQ-25という比較的広く認められている評価法を用いています。この記事はビジュアルスノウイニシアチブを介して紹介された論文紹介です。清澤がこの方法を治療に取り入れているわけではありません。
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紹介
視覚雪症候群(Visual Snow Syndrome, VSS)は、視野全体に絶えず点滅するドットや静的な視覚異常を特徴とする神経学的状態です。VSSの患者は、運転や読書、自然を楽しむことなど、日常生活において多くの困難を報告しています。
目的
この研究の目的は、VSSを治療するための神経検眼リハビリテーション療法(NORT)の実現可能性を評価することです。研究では、National Eye Institute Visual Function Questionnaire(NEI-VFQ-25)を使用して、治療前後の生活の質(QOL)を評価しました。
メソッド
21人の参加者が、テリー・ツァン・オプトメトリー博士とノース・テキサスのニューロビジョン・アソシエイツのクリニックでVSSと診断されました。参加者はNEI-VFQ-25に記入し、神経検眼医または資格のある視覚療法士が実施したNORTを受けました。NEI-VFQ-25は、NORTの6週間前、および12週間後に投与され、患者のQOLに対する治療の効果を評価しました。
業績
参加者は、6週間および12週間のNORT治療後に、QOL複合スコアとサブスケールスコアの改善を示しました。プレテスト(M = 68、SD = 18)および6週間の治療時(M = 75、SD = 17)のNEI-VFQ-25複合スコアは、QOLの改善を示しています。プレテストから12週間の治療までのNEI-VFQ-25複合スコアは、さらなる改善を示しました。一般的な視覚、遠隔活動、近傍活動、社会的機能、メンタルヘルス、役割の困難、依存のサブスケールも改善を示しました。
結論
この研究の結果は、VSSの患者がわずか6週間でQOLの改善を経験し、NORTの12週間でさらに改善することを示唆しています。NORTはVSS患者の状態管理とQOL向上に有効な治療選択肢であることが示唆されていますが、特定の症状の軽減はまだ実証されていません。この研究は、NORTがVSS症状の軽減に関するさらなる調査を正当化するものです。
用語解説
- 視覚雪症候群(VSS): 視野全体に絶えず点滅するドットや静的な視覚異常を特徴とする神経学的状態。
- 神経検眼リハビリテーション療法(NORT): 眼球運動機能、速度、精度、統合を向上させて視覚スキルと処理を開発および強化するための療法。
- NEI-VFQ-25: National Eye Institute Visual Function Questionnaireの略で、視覚機能と生活の質を評価するためのアンケート。
この研究は、VSS患者に対するNORTの有効性を示す初めての研究であり、今後の治療法開発に大きな影響を与えることが期待されます。(注:この記事はビジュアルスノウイニシアチブを介して紹介された論文の紹介です。清澤がこの方法を治療に取り入れているわけではありません。)
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