ビジュアルスノウ症候群(VSS)とともに生きる皆さまへ
――VSI 創設者シエラ・ドムさんの言葉から学ぶ“前に進む力”
(注:これはビジュアルスノウイニシアチブからの最新のメールマガジンの翻訳です。)
ビジュアルスノウ症候群(VSS)に悩む世界中の患者さんを支える団体「Visual Snow Initiative(VSI)」の創設者、シエラ・ドムさんが雑誌 Bold Journey に紹介されました。彼女自身も VSS を抱えながら活動しており、その経験から語られる言葉には、患者さんを励ます力があると感じます。
今回は、そのインタビューから、VSS とともに生きる皆さんに役立つメッセージを選び、わかりやすくご紹介します。
■ 困難を乗り越える力は、「特別な人だけのもの」ではない
シエラさんは、「立ち向かう力(レジリエンス)」についてこう言っています。
「人生の困難に完璧な準備などできません。
ただ、その時できることを一つずつ行ってきただけです。」
これは、VSS のように治療が確立していない症状と向き合う方にとって、とても大切な視点です。
“完璧でなくてもよい”こと、“今できることをするだけで十分”というメッセージは、多くの患者さんを励ますのではないでしょうか。
■ 前に進むために大切な3つの力
シエラさんが挙げる「大切な3つの力」は、VSSと向き合う患者さんにもそのまま当てはまります。
① 自分で考える力
症状は人によって異なり、表れ方も経過もさまざまです。
だからこそ、
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他人の評価に縛られない
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情報を受け取るときは「自分で考える」
ことが大切だと話します。
② 柔軟に適応する力
一つの方法がうまくいかない時、別の方法や生活の工夫を試す柔軟さは、VSS患者さんにも重要です。
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休息の取り方を変える
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まぶしさへの対策を試す
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心身の負担を軽減する方法を探す
こうした小さな適応が、生活の質を大きく改善することがあります。
③ 粘り強さ(レジリエンス)
症状が続く中でも、「今日できること」を積み重ねていく姿勢が、前に進む力になります。
■「あなたの歩み方でよい」――シエラさんの言葉が伝えるもの
VSSは、見た目にはわかりにくく、周囲に理解されにくい症状でもあります。
そのため、患者さんが孤独を感じやすい側面があります。
しかしシエラさんは、
「誰かの常識に自分を合わせる必要はありません。
自分のペースで、できる方法を探していけばよいのです。」
と語ります。
この姿勢は、VSSとともに生活する皆さまにも非常に大切な考え方だと感じます。
■ 院長より
VSS は研究が進んでいる途中の疾患で、確立した治療法はまだありません。
しかし、世界中で研究が加速しており、支援団体の活動も広がっています。
そして何より、患者さん一人ひとりが「自分の症状と向き合い、工夫しながら生活する」その姿勢こそが、前に進む力につながります。
シエラ・ドムさんの言葉は、まさにその励ましになるものです。
当院としても、VSSで困っている患者さんに寄り添い、最新の知見を共有しながら一緒に歩んでまいります。



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