眼科医療経済等

[No.3168] 「Ophthalmology Reviews」発刊に向けての社説の概要です。

清澤のコメント:系統的レビューやメタアナリシスを専門的に扱い、高品質な文献統合を目指し、将来的には「Ophthalmology Reviews」という独立したジャーナルとして発展し、オンラインオープンアクセス形式での利用が計画されるというOthtalmolgy誌の新しいレビューを扱う兄弟誌が発刊されるようです。

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特別解説:ベネフィットとリスクのバランス 網膜画像は研究目的で保護されていない健康情報と見なされるケース 米国眼科学会理事会 Ophthalmology: January 2025 (Volume 132, Issue 1)

ガルガンチュアの文献と眼科ジャーナルの進化

眼科分野における学術出版は、近年大きく膨張しています。2023年には医学全体で約18万件、眼科分野でも少なくとも5500件の論文が発表されました。これらの文献の膨大な量に加え、新しい眼科ジャーナルの台頭やプレプリントサーバーの普及により、学術情報の流通は急速に拡大しています。現在、眼科分野では新しいジャーナルが次々と創刊され、読者に幅広い情報を提供しています。

しかし、この増加する文献を効率的に把握することは難しく、多忙な臨床医がすべてを追いかけるのは物理的に不可能です。この課題に対処するため、系統的レビューやメタアナリシスといったエビデンスを統合するための手法が進化し、多くの場で活用されています。American Academy of Ophthalmology (AAO) は、Preferred Practice Patterns®PPP)やOphthalmology Technology AssessmentsOTA)として高品質なレビューを提供していますが、トピックの全範囲を網羅するには至っていません。

こうした背景を受け、2024年から眼科ジャーナルに新たなレビューセクションが設置されることになりました。このセクションでは、系統的レビューやメタアナリシスを専門的に扱い、高品質な文献統合を目指します。また、将来的には「Ophthalmology Reviews」という独立したジャーナルとして発展し、オンラインオープンアクセス形式での利用が計画されています。これにより、読者が必要とするエビデンスを効率的に提供することを目指しています。

この取り組みは、眼科分野の情報過多に対応し、実践に役立つ知識を提供する重要なステップとなるでしょう。

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