眼科医療経済等

[No.3441] 米国保健福祉省(HHS)の大規模な再編と人員削減に関する記事:紹介

、JAMAメディカルニュース(2025年4月4日公開)で報じられた米国保健福祉省(HHS)の大規模な再編と人員削減に関する記事の内容を、要約してお伝えします。


2025年3月末、米国保健福祉省(HHS)は、トランプ政権の「Make America Healthy Again(アメリカを再び健康に)」方針に従い、医療関係の連邦職員を大幅に削減する再編計画を発表しました。対象はFDA(食品医薬品局)、CDC(疾病予防管理センター)、NIH(国立衛生研究所)などで、約1万人が解雇または地方配属となり、これまでの削減とあわせて全体で約25%の人員削減(8万2000人から6万人弱)となります。

再編により、HHSの28部門は15部門に統合され、新たに「健康なアメリカのための政権(AHA)」という組織が設けられます。目的は、コスト削減と組織の効率化、特に慢性疾患対策の強化ですが、詳細は不透明です。CDCは感染症などのアウトブレイク対策に特化し、災害対応部門(ASPR)を傘下に置きます。また、情報・調達・人事などは一括管理されます。

関係者の間では評価が分かれています。改革の一部は合理的だとの声もありますが、多くの専門家は、急激で不透明な実施が国民の健康に悪影響を与えると懸念を示しています。特に懸念されているのは、公衆衛生分野のデータや研究の縮小、現場からの専門知識の流出、各機関の独立性の低下です。

たとえば、FDAでは人員の約20%が削減され、新薬や医療機器、食品安全に関する審査が滞る可能性があります。AI医療技術の監督体制にも遅れが生じる恐れがあり、元FDA長官のカリフ氏は「FDAは終わった」とまで発言。さらに、ワクチン部門トップの退任もあり、ワクチン政策への干渉を懸念する声もあります。

また、各機関を中央集権化することで、長官の意向が個別の製品審査や方針決定にまで及ぶ可能性も指摘され、特に精神疾患や依存症対策における科学的根拠の軽視も懸念されています。

改革のタイミングも急で、新長官就任からわずか6週間での発表、主要機関の新トップの議会承認前の発表など、「準備不足」「透明性の欠如」との批判が多く、公衆衛生専門家からは「思慮深さがない」「混乱は避けられない」との声があがっています。

今後、この改革が国民の健康と安全にどのような影響を及ぼすか、注意深く見守る必要があると言えるでしょう。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。