医師不足や違法残業、是正勧告が相次ぐ医療現場…「働き方改革と言っても変わらない」(⇒読売新聞:出典)という点が、問題になっています。
私が大学勤務であった頃は、毎週土曜朝に抄読会が行われて、全員の出席が義務でした。また、平日も病棟回診や自分および後輩の論文書きの援助で12時頃の中央線終電での帰宅が通例でした。こうした、同僚同士の競争と切磋琢磨が毎日のことでした。このような長時間の拘束は今ではおそらく考えられませんが、医学の研鑽は病院医の業務・仕事か?という疑問は今後も論点となることでしょう。
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この記事の要旨は
- 医師の働き方改革:2024年4月から医師の労働時間が上限規制されるが、医療現場では人手不足や違法残業が深刻な問題となっている。
- 専門・地域で人材偏り:医師の分布は専門や地域によって偏りがあり、特に救急や産婦人科、地方の病院などでは医師が不足している。
- 残業「自己研さん」扱い:医師の残業は「自己研鑽」として扱われることが多く、労働時間の管理が不十分である。また、残業代も支払われない場合が多い。
- 改革への期待と不安:医師の働き方改革は医療の質や安全性を向上させる可能性があるが、同時に医師の負担や患者の不利益を招く恐れもある。医師や病院は改革に対して期待と不安を抱いている。
- 追記:眼科医における偏在はどうなのでしょうか?:
眼科医の分布については、専門や地域によって偏りがあります。厚生労働省の試算によれば、全国的には現状で眼科医師数は適正からやや過剰とされていますが、一方で新潟県など一部の地域では医師不足が深刻です。
具体的に、新潟県では医師の数が各科とも例外なく不足しており、2018年の日本専門医機構による足下充足率では、適正眼科医数の0.67倍となっています。臨床研修医数も年当たり約100名前後で推移しており、県の規模や人口から現状の医療状況を維持するためには180名以上、最低でも160名が必要と試算されています1。
眼科医の世代偏在も問題であり、臨床研修が始まって以降の約10年間の世代が極端に少ないことが指摘されています。高齢者人口の増加に伴い、眼科医療は変革が求められていると感じられています。また、人工知能(AI)やビッグデータ、遠隔診療などのテクノロジーが今後の眼科診療に影響を与えることが予想されており、その動向に注目が必要です1。
医師確保のためには、教育システムや研修システムの改良と充実化が必要であり、地域枠の設定や新潟大学医学部における取り組みも重要です。今後、医師の働き方改革や質とバランスの取れた医療の実現に向けて、さらなる議論と実践が求められていることでしょう1。
◎ 東京都における眼科医療の現状と対策:眼科医師の数や診療施設の分布は地域によって異なりますが、以下の点に注目できます。
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自由が丘清澤眼科(東京都目黒区)では眼科を診療しており、水曜は休診ですが、土曜日(午前午後・院長)も日曜祭日(午前午後:代診)も診療しています。これは、地域の眼科医療を支えているものと自負しています。
その他の多くのクリニックも、地域の患者さんに寄り添った眼科医療を提供しており、患者さんの視力と目の健康を守るために努力しています。
また、東京都全体の眼科医療の現状については、厚生労働省の試算により、適正な眼科医師数が現状で達成されているとされていますが、地域ごとに医師不足があることも考慮すべきです。
◎ 東京都内の大学病院の眼科における研修医の受入数上限について説明します。
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令和5年度の都道府県別募集定員上限:研修医の募集定員は、全国の定数管理や地域別の偏在調整が行われず、全国の募集定員の総数が研修希望者の1.3倍を超える規模まで拡大されていました。しかし、平成22年度からは都道府県別の募集定員上限を設定し、研修医の偏在是正を図っています。平成27年度には1.22倍まで縮小され、令和2年度には約1.1倍、令和7年度には約1.05倍まで縮小される予定です。
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東京都の眼科専門研修プログラム:東京都内の大学病院では、眼科専門研修プログラムが提供されています。例えば、東京大学医学部附属病院の眼科専門研修プログラムでは、研修医が眼科医としての基本的な臨床能力や医療姿勢を身につけることを目指しています。
これらの対策により、東京都内の大学病院での眼科研修医の受入数が適正に調整されています。ただし、具体的な病院ごとの受入数は、各病院の研修プログラムによって異なり、その一覧表は見つけられませんでした。
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