ある芸能人が、両眼の外傷性白内障手術を受け、安静の指示を受けたという記事を見ました。そこで外傷性白内障について復習してみます。
外傷性白内障は、目の中でレンズの働きをする水晶体が外傷によって濁ってしまう病気です。以下に外傷性白内障について説明します。
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原因となることの多い打撲原因:
- 外傷性白内障の原因は、鈍的外傷と穿孔性外傷に分けられます。
- 鈍的外傷: 鈍い衝撃によって水晶体が傷つくことで、ボクシングでの殴打、野球の自打球などのスポーツ外傷や交通事故での打撲が原因になります。
- 穿孔性外傷: 異物が角膜を貫通して水晶体を損傷することで、刃物や鉄片などが原因になります。
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進行のタイミング:
- 鈍的外傷の場合は、混濁がゆっくりと進むことが多く、受傷後数年から数十年で症状が現れることもあります。
- 穿孔性外傷の場合は、混濁が急速に進むことが多く、受傷後数日から数週間で視力低下の症状が現れることもあります。
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検査(細隙灯所見)の特徴:
- 水晶体の混濁の形や位置が加齢に伴う白内障に比べて不規則で、外傷の部位によって異なります。
- 水晶体の亜脱臼や脱臼が見られることがあります。
- 水晶体嚢に亀裂や穿孔が見られることがあります。
- 眼圧の変動や緑内障の合併が見られることがあります。
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手術のタイミングと合併症:
- 手術は、視力が低下して日常生活に支障が出る場合や、緑内障などの合併症が起こる恐れがある場合に行います。
- 手術では、混濁した水晶体を取り除いて、人工水晶体に置き換えます。
- 合併症には、水晶体嚢の損傷や破裂、眼内出血、網膜剥離、感染、眼圧の上昇、後発白内障、角膜浮腫などがあります。
外傷性白内障の可能性がある場合、慎重な対応と十分な静養が必要です。
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