東京では好天が続き、空き地の桑の木の葉が盛んに育っています。皆さんは、蚕が桑の葉を食べる時の、まるで驟雨(しゅうう)のような音を聞いたことがありますか?小説にも描かれていますが、私自身も小学生のころに自宅で祖母に世話してもらっていた蚕で、その音を実際に聞いたことがあります。この桑の木は、どの時代から養蚕のために日本で栽培されてきたのでしょうか?そして、蚕や絹、桑に関連する目の健康の話題があるのでしょうか?(左が今朝の一枚、次は7月の空き地の朝。)(最後:10月7日、その後此の空き地の植物は全て片付けられました。)
桑(くわ)は、古くから日本で養蚕のために栽培されてきました。桑の栽培は、4世紀頃に中国から養蚕技術とともに伝わったと考えられています。特に奈良時代(8世紀)には、天皇や貴族の衣装として絹が重要な役割を果たし、桑の栽培も広がりました。江戸時代には養蚕がさらに盛んになり、各地の農村で桑が栽培されるようになりました。明治時代には、日本の主要産業として養蚕が発展し、日露戦争の戦費の多くも絹の輸出によって賄われたとされています。
目の健康に関連する話題としては、桑の葉の健康効果が挙げられます。桑の葉にはルテインやビタミンAが含まれており、これらは視力の保護や目の健康維持に役立つとされています。ルテインは黄斑変性症などの目の疾患予防に効果があり、ビタミンAは暗所での視覚を助け、ドライアイの予防にも効果的です。
実際、桑から抽出されるルテインは、健康食品として広く利用されています。特にパソコンやスマートフォンの使用が増えている現代において、視力保護や加齢黄斑変性症の予防として、ルテインを含んだサプリメントや健康食品は人気があります。また、桑の葉にはビタミンCやミネラルも豊富に含まれており、目の健康だけでなく、全身の健康維持にも役立つとされています。桑の葉を使った健康茶もあり、日常的に摂取できる手軽な方法として親しまれています。
さらに、絹製品は肌に優しい素材として知られており、シルク製のアイマスクや枕カバーが、ドライアイや眼瞼炎の予防に役立つこともあります。
このように、蚕や絹、桑には目の健康に関連する多くの興味深い要素があります。日常生活に取り入れることで、視力や目の健康を守る手助けとなるかもしれません。
追記:小説における蚕の鍬を食む音を驟雨にたとえる表現について:
島崎藤村の『夜明け前』で、蚕が桑の葉を食べる音が「驟雨」に例えられる場面は、第一部の第四章に記載されています。この部分で、主人公の青山半蔵が自分の家で蚕を育てている様子が描かれており、蚕が桑を食べる音が「驟雨のようだ」と表現されています。具体的には、蚕が桑の葉をかじる音が、静かな雨が降る音のように細かく、均等なリズムで聞こえるという趣旨で描写されており、その音が蚕の成長を象徴しているとも解釈できます。また、高田郁の小説にも、蚕が桑の葉を食べる音を「驟雨(しゅうう)」に例えて描かれた部分があります。彼女の作品『ふるさと銀河線 軌道春秋』などの一部で、この描写が登場します。
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