神経眼科

[No.3057] 羞明症例に対する acunisサングラスの使用経験(福岡世理ほか):学会抄録

11月に開催された「視能矯正学会」にて、FL-41に言及する講演が有った旨のメールを日本エッシェンバッハ社の佐藤さんからいただきました。ここにその抄録を採録します。この症例では、羞明の原因疾患は明らかにはされていません。このアクニス遮光眼鏡は私も眼瞼痙攣やビジュアルスノウ患者に対して紹介し、患者さんからも一定の評価を得ているものです。眼瞼痙攣に限らず眼科ではリハビリ領域で多く試されているという事です。この抄録には、FL-41を使用することでコントラスト感度に改善が得られたことが報告されています。演者はコントラスト感度検査器としてCSY-1000(Vector Vision 社)を用いていますが、私は以前白内障のグレア評価に多用されるタカギの機材を使用していました(末尾に動画)。

   ーー抄録の採録ーーー

0-22 羞明により生活に支障をきたしている症例に対する acunisサングラスの使用経験

 〇福岡世理1、竹下孝之2,高橋久美子1、竹内雅史1、津田聡1、 中澤徹 3  1東北大・診療技術部・リハビリテーション部門、2大崎市民病院、3東北大

【目的】差明により日常生活に支離をきたしている症例に対して片頭痛や外傷性脳損傷、その他の目の状態による光過敏症の症状を緩和するとされる「FL-41」フィルターレンズが搭載されたacunisサングラス (エッシェンバッハ)を装用し、差明が改善された経験をしたので報告する。【症例】25歳、男性。原因不明の視力低下で当院紹介。初診時矯正視力は右眼(0.5)、左眼(0.3)であり、視力低下の他に眼科的検査に異常所見はなく、光通敏症の可能性として経過観察となった。今回、acunisサングラスの装用が差明の改善に効果があるかを比較するために、コントラスト感度検査器(CSY-1000Vector Vision 社を用いてグレア照射下でのコントラスト感度を測定した。)なお、acunisサングラスは自覚的に差明の改善を感じた可視光線透過率の異なる2種(24%55%)を用いて測定を行った。【結果】 acunisサングラス装用なしでのコントラスト感度は全空間周波数で大きく低下していたが、サングラス装用により全ての空間波数でコントラスト感度の上昇がみられた。また、可視光線透過率24%のサングラスでは特に3cycle/degでコントラスト感度が上昇していた。【精齢】acunisサングラス装用により羞明の改善が得られた経験をした。acunisサングラスは羞明の改善方法として選択肢の一つとなりうる。

【利益相反公表基準】該当有【倫理審査】承認有【IC】取得有

FL‐41フィルターレンズの説明を伺いました。

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