全身病と眼

[No.3093] 眼窩吹き抜け骨折とは:

眼窩吹き抜け骨折(blowout fructutre)について説明してみます。私の診療所でも、年に23人程度の新患の来院があります。眼科吹き抜け骨折の多い原因、症状と所見を述べて、選ばれる対応策を挙げてみましょう。それはどのように決定されますか?。

眼窩吹き抜け骨折(orbital blowout fracture)は、眼窩を構成する骨の中で特に薄い下壁や内壁が外傷により破損する状態を指します。この骨折は、眼窩より大きな鈍的外力が加わることで発生し、眼窩内容物が副鼻腔へ脱出することがあります。

原因: 眼窩吹き抜け骨折の主な原因は、スポーツ中の事故や交通事故、暴行などによる顔面への鈍的外傷です。特に、テニスボールや拳などの比較的小さな物体が眼窩に直接衝突することで、眼窩内圧が急激に上昇し、薄い下壁や内壁が破裂することがあります。 ウィキペディア

症状と所見: 眼窩吹き抜け骨折の症状は多岐にわたり、以下のようなものが含まれます。

  • 複視(ものが二重に見える): 外眼筋の絞扼や損傷により、眼球運動が制限され、複視が生じます。 MSDマニュアル
  • 眼球陥凹(眼球の後退): 眼窩内容物が副鼻腔へ脱出することで、眼球が後方へ陥没します。 ウィキペディア
  • 眼球運動障害: 特に上転や下転の制限が見られ、これは下直筋の絞扼によるものです。 ウィキペディア
  • 知覚異常: 眼窩下神経の損傷により、頬部や上唇、上歯茎の感覚が低下することがあります。 MSDマニュアル
  • 眼窩気腫: 鼻をかむなどの行為により、空気が眼窩内に侵入し、腫れや痛みを引き起こすことがあります。 MSDマニュアル

対応策: 眼窩吹き抜け骨折の治療は、症状の程度や骨折の種類に応じて決定されます。

  1. 保存的治療:
    • 経過観察: 軽度の骨折で、眼球運動障害や複視が軽微な場合、自然治癒を期待して経過観察を行います。 MSDマニュアル
    • 薬物療法: 感染予防のための抗生物質や、腫れを軽減するためのステロイドがに服などで使用されることがあります。 MSDマニュアル
  2. 外科的治療:
    • 手術適応: 以下の条件がある場合、手術が検討されます。
      • 複視が持続し、日常生活に支障をきたす場合。
      • 眼球陥凹が2mm以上で、美容的または機能的問題がある場合。
      • CT検査で外眼筋の絞扼や大きな骨欠損が確認された場合。 お得情報
    • 手術時期: 一般的に、受傷後12週間以内に手術を行うことが推奨されます。ただし、外眼筋の絞扼が強い場合は、早急な手術が必要となることがあります。 お得情報
    • 手術方法: 経結膜切開や睫毛下切開などのアプローチで、骨折部位を整復し、必要に応じてチタンメッシュや人工材料で補強します。 ウィキペディア

治療方針の決定: 治療方針は、以下の要素を総合的に評価して決定されます。

  • 症状の程度: 複視や眼球運動障害、知覚異常の有無とその重症度。
  • 骨折の範囲と部位: CT検査での骨折の大きさ、部位、骨片の転位状況。
  • 患者の年齢や全身状態: 小児では骨の柔軟性が高く、特有の骨折形態を示すことがあるため、特別な配慮が必要です。drtasu’s Hatena Diary

これらの要素を踏まえ、眼科医や形成外科医、耳鼻咽喉科医などの専門家が連携して最適な治療方針を策定します。早期の適切な対応により、後遺症のリスクを最小限に抑えることが可能です。

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