ビジュアルスノウ

[No.3352] ビジュアルスノウ症候群(VSS)研究の進展と今後の展望:英キングス・カレッジ 2025年度年:

ビジュアルスノウ症候群(VSS)研究の進展と今後の展望

清澤のコメント:⇒リンク;上記表題のビジュアルスノウイニシアチブからの連絡事項です

様々な新しい研究が進んでいるようですが、此処にはキングス・カレッジ 2025年度年次報告書の要点のみを抄録します。詳しくは上のリンクから原著を探ってみてください。

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キングス・カレッジ 2025年度年次報告書

皆さまのご支援により、キングス・カレッジのゴーズビー博士プレッダ博士の研究チームは、ビジュアルスノウ症候群(VSS)の解明に向けて大きな進展を遂げています。特に、プレッダ博士がVSSの生物学的基盤を特定する重要な発見をしたことが報告されています。この研究成果は、VSSに悩む人々にとって大きな希望となるものであり、病態の理解とより効果的な治療法の開発につながる可能性があります。( 注:Abnormal Glutamatergic and Serotonergic Connectivity in Visual Snow Syndrome and Migraine with Aura Francesca Puledda, MD,ビジュアルスノウ症候群および前兆を伴う片頭痛における異常なグルタミン作動性およびセロトニン作動性の結合。上のリンクで原著が読めます。内容紹介はいずれ。)

VSSの電気的特性と神経生理学的変化を探る

2024年4月の前回報告以降、ヴィヴィアナ・サントロ博士課程の学生が、VSI(Visual Snow Initiative)の資金提供を受けてプレッダ博士とゴーズビー教授のもとで研究に参加しました。研究の中心は、高度な神経生理学的技術を用いてVSSの脳内の電気的な特徴を明らかにすることです。

現在、収集したデータの中間解析が進められており、大脳皮質の神経回路(コネクティビティ)や神経代謝に関するバイオマーカーを特定するための有望な結果が得られつつあります。

特に、プロトン磁気共鳴分光法(MRS)を用いた大脳皮質の代謝の変化や、視覚領域の機能的結合(階層別fMRI)の解析が進められています。これにより、VSSの背景にある感覚情報処理や視覚認知の異常メカニズムを推測することが可能となります。

また、VSSの神経生理学的特徴と片頭痛の違いを明らかにすることも重要な目的の一つです。VSSの脳内ネットワークを解明するために、**TMS(経頭蓋磁気刺激)、高密度EEG(脳波)、視覚誘発電位(VEP)**といった非侵襲的な技術を活用し、VSSの大脳皮質の興奮性の変化を詳細に調査しています。これにより、VSSが片頭痛とは異なる神経生理学的な指標を持つことを明確にできる可能性があります。

研究の発展と未来への展望

皆さまのご支援により、キングス・カレッジ・ロンドンは、世界のVSS研究の中心的な拠点の一つとなりました。我々は、VSSの解明に向けて引き続き研究を進めるとともに、患者の生活の質の向上に貢献することを目指しています。今後も、VSSの理解を深め、新たな治療法の開発につなげるための研究を推進してまいります。

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