
xr:d:DAFXFtPnm7U:8,j:1584011184,t:23010814
複視とは?
複視とは、物が二重に見える症状のことを指します。これには単眼性複視と両眼性複視の2種類があります。
-
単眼性複視:片眼を閉じてもダブりが残る場合。
-
両眼性複視:両眼を開いているときだけ物が二重に見え、片眼を閉じると正常に見える場合。
それぞれ原因や治療法が異なるため、以下で詳しく説明します。
単眼性複視の原因と治療
単眼性複視は、通常、眼の屈折異常や眼球自体の問題によって引き起こされます。主な原因には次のようなものがあります。
-
乱視:角膜や水晶体の歪みにより、光が適切に屈折しないために複視が生じます。
-
治療:メガネやコンタクトレンズによる矯正。
-
-
白内障:水晶体の濁りにより光が乱反射し、物が二重に見えることがあります。
-
治療:白内障手術による水晶体の置換。
-
-
角膜疾患(円錐角膜、角膜混濁など):角膜の形状が不規則になることで複視が起こる。
-
治療:ハードコンタクトレンズや角膜移植。
-
-
眼内レンズのずれ(白内障手術後):人工レンズが適切な位置にない場合、単眼性複視が生じる。
-
治療:レンズの調整や再手術。
-
両眼性複視の原因と治療
両眼性複視は、両眼の視線が正しく一致しないことによって生じます。主に次の3つの原因が考えられます。
① 眼窩内疾患によるもの
(1) 外眼筋炎
-
眼の動きを制御する外眼筋が炎症を起こし、眼球運動に制限がかかることで複視が生じる。
-
治療:ステロイド治療や免疫抑制剤。
(2) 重症筋無力症
-
眼の筋肉が正常に機能しなくなり、眼球の動きが制限される。
-
治療:抗コリンエステラーゼ薬や免疫療法。
(3) 甲状腺眼症(バセドウ病関連)
-
甲状腺機能亢進により眼球周囲の組織が腫れ、眼球運動が障害される。
-
治療:甲状腺治療、ステロイド療法、放射線療法。
② 頭蓋内の脳神経麻痺によるもの
眼球を動かす3つの主要な神経が障害されると複視が発生します。
(1) 動眼神経麻痺(第Ⅲ脳神経)
-
瞼が下がる(眼瞼下垂)、眼が外側と下方に偏る。
-
原因:糖尿病、高血圧、動脈瘤、腫瘍など。
-
治療:原因疾患の治療(血糖管理、血圧管理)、ステロイド治療。
(2) 滑車神経麻痺(第Ⅳ脳神経)
-
物が斜めにダブって見える。
-
原因:頭部外傷、脳腫瘍など。
-
治療:眼鏡にプリズムを入れる、自然回復を待つ、手術。
(3) 外転神経麻痺(第Ⅵ脳神経)
-
片眼が外側を向きにくくなり、遠くを見る際に複視が生じる。
-
原因:糖尿病、高血圧、頭蓋内圧亢進。
-
治療:血糖コントロール、手術、眼鏡のプリズム補正。
③ 脳幹や脳内病変によるもの
(1) 脳幹の循環障害(脳卒中)
-
突然の複視やめまい、麻痺を伴うことが多い。
-
治療:血栓溶解療法(t-PA)や抗凝固療法。
(2) 脳腫瘍
-
腫瘍が神経を圧迫し、眼球運動に障害をきたす。
-
治療:外科的摘出、放射線治療、化学療法。
(3) 多発性硬化症
-
神経の炎症により、視神経や脳幹が影響を受ける。
-
治療:ステロイド療法や免疫抑制療法。
複視の診断方法
-
問診:いつから発症したか、片眼でも二重に見えるか。
-
眼科検査:視力検査、眼球運動のチェック。
-
神経学的検査:脳神経機能評価。
-
画像診断:MRI、CTスキャンで脳や眼窩の状態を確認。
まとめ
複視には単眼性複視と両眼性複視があり、それぞれ原因や治療法が異なります。単眼性複視は屈折異常や白内障などの眼の問題が原因であり、メガネや手術での対応が可能です。一方、両眼性複視は神経や筋肉の異常によることが多く、糖尿病、脳卒中、甲状腺疾患など全身疾患が関与していることもあります。そのため、適切な診断と治療が重要です。また斜視と言って動きの悪い筋肉が特定しずらいのに、元々の眼位(眼の向き)が左右でマッチしていない場合もあります。気になる症状があれば、早めに眼科や神経内科を受診しましょう。
コメント