眼科検査機器などを製造し扱い、我々眼科にもなじみの深いニデックという会社は、昨年来株が暴落しているニデックとは全くの別会社ですか?なぜ同じ会社名になってしまったのですか?👉 はい、「眼科検査機器などを製造しているニデック株式会社(NIDEK CO., LTD.)」と、今回株価が暴落している「日本電産株式会社(NIDEC CORPORATION)」は、全くの別会社です。
ただし両社とも英語表記が似ており(NIDEKとNIDEC)、発音もほぼ同じため、混同されやすいのです。以下に整理して説明します。
◎ 1. 眼科機器メーカー「ニデック株式会社(NIDEK CO., LTD.)」
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本社所在地:愛知県蒲郡市
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設立:1971年(創業者:永守重信氏とは無関係)
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事業内容:眼科・眼鏡店・レーザー・歯科・医療分野向けの光学精密機器の開発・製造・販売
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主な製品:
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オートレフ/ケラトメータ
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眼底カメラ・OCT
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屈折矯正レーザー装置(LASIK関連)
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コンタクトレンズ検査機器、視力検査システム など
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特徴:世界120か国以上に展開し、医療機器としての精度と信頼性で高い評価を得ています。眼科医療分野では世界でも屈指のブランドのひとつです。
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上場状況:非上場(株式市場には公開されていません)。
→ したがって「株価暴落」とは一切関係がありません。
◎ 2. 株価急落の「日本電産株式会社(NIDEC CORPORATION)」
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本社所在地:京都市南区久世殿城町
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創業者:永守重信(ながもり・しげのぶ)氏
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事業内容:モーター・精密小型モータ・車載駆動ユニット(EV関連)などの設計・製造・販売
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英語表記:NIDEC CORPORATION(発音:ナイデック/ニデック)
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証券コード:6594(東証プライム上場)
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今回の問題:
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海外子会社の会計処理不備
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監査法人による「意見不表明」
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決算報告の遅延
などにより、2025年11月上旬から株価が急落しています。
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◎ 3. 混同が起こりやすい理由
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ローマ字表記が NIDEK(眼科機器) と NIDEC(モータ大手) で非常に似ている。
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両社とも「精密機械」「光学・電子制御」などハイテク分野に関係している。
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報道やSNSなどでは「ニデック株が暴落」と書かれることが多く、カタカナ表記では区別できない。
実際に多くの医療関係者や投資家から「眼科機器のニデックが不祥事を起こしたのか?」という誤解が一時的に広がっていますが、両社は資本関係も人的関係も一切ありません。
◎ まとめ(眼科ブログ向け説明)
最近ニュースで「ニデック株が暴落」と報じられていますが、これは京都のモーターメーカー「日本電産株式会社(NIDEC)」のことです。
私たち眼科で日常的に使用している「オートレフ」や「OCT」を製造する「ニデック株式会社(NIDEK)」とは、名前が似ているだけで全く別の会社です。
愛知県のNIDEK社は医療機器の信頼性で世界的にも高い評価を維持しており、今回の株価暴落とは一切関係ありません。



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