― ボトックス治療を受けている方に知ってほしい日常の注意点 ―
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)は、まぶたを動かす筋肉が自分の意思とは関係なく収縮してしまう病気です。ボトックス注射は、この過剰な筋肉の動きを抑える有効な治療法で、多くの患者さんが定期的に注射を受けることで日常生活を取り戻しています。
しかし実際の診療では、「注射の効きが悪い気がする」「以前よりまぶたがつらい」と感じる時期があり、その背景に生活習慣が関係していることが少なくありません。ここでは、眼瞼痙攣を悪化させやすい、好ましくない生活習慣を整理してご紹介します。
① 長時間のスマートフォン・パソコン使用
画面を長時間見続けると、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなります。
目の乾燥や疲労は、まぶた周囲の神経を刺激し、眼瞼痙攣を強める要因になります。
特に、
・暗い場所でのスマホ操作
・小さな文字を凝視する作業
・休憩を取らずに続ける作業
は症状悪化につながりやすいため注意が必要です。
② 睡眠不足・生活リズムの乱れ
睡眠不足は、脳や神経の疲労を蓄積させます。眼瞼痙攣は「脳とまぶたの連携の乱れ」とも言える病気のため、寝不足が続くと症状が強くなる方が多く見られます。
夜更かし、不規則な就寝時間、寝る直前までのスマホ使用などは、できるだけ控えたい習慣です。
③ 強いストレスをため込む生活
精神的な緊張や不安、プレッシャーは、眼瞼痙攣の大きな悪化因子です。
「忙しすぎる」「休めない」「常に気を張っている」といった状態が続くと、注射の効果が十分に感じられないこともあります。
ストレスを完全になくすことは難しくても、
・意識的に休む時間を作る
・一人で抱え込まない
・リラックスできる習慣を持つ
ことが症状の安定につながります。
④ カフェインやアルコールの過剰摂取
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは、神経を興奮させる作用があります。少量で問題ない方もいますが、多量摂取はまぶたのピクつきを強めることがあります。
また、アルコールは一時的に緊張を和らげるように感じても、睡眠の質を下げたり、翌日に症状を悪化させる場合があります。
「飲む量」「飲む時間帯」には注意が必要です。
⑤ 目の乾燥を放置すること
ドライアイを放置すると、目の表面からの刺激が増え、反射的にまぶたが強く動くようになります。
眼瞼痙攣の患者さんでは、ドライアイ対策が不十分なために症状が悪化しているケースも珍しくありません。
点眼治療や環境調整(加湿、風を避けるなど)を軽視しないことが大切です。
⑥ 無理を重ねる「頑張りすぎ」の習慣
「注射しているのだから大丈夫」と無理を重ねてしまう方もいます。しかし、眼瞼痙攣は疲労の積み重ねに非常に敏感な病気です。
・体調が悪くても休まない
・目がつらくても我慢する
・周囲に理解されないまま無理をする
こうした状態が続くと、症状は悪化しやすくなります。
まとめ
ボトックス注射は眼瞼痙攣治療の柱ですが、その効果を十分に引き出すためには、日常生活の整え方がとても重要です。
✔ 目を酷使しすぎない
✔ しっかり眠る
✔ ストレスをためすぎない
✔ 刺激物を控えめに
✔ 目の乾燥を放置しない
✔ 無理をしすぎない
これらを意識することで、注射の効果が安定し、症状が楽になる方が多くいらっしゃいます。
「治療は注射だけで完結するものではない」――
そう考えて、生活全体を少しずつ見直していくことが、眼瞼痙攣とうまく付き合うコツと言えるでしょう。
(※症状や生活状況には個人差があります。気になる点があれば、主治医に遠慮なくご相談ください)




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