白内障

[No.4435] 養老渓谷と養老の滝 ― 静かな冬の渓谷と、水の行方をたどる ―

養老渓谷と養老の滝静かな冬の渓谷と、水の行方をたどる

東京から自家用車でアクアラインを通り、トンネルで千葉へ。木更津方面からナビに従って山間へ分け入ると、次第に道路は細くなり、谷を縫うように進みます。養老渓谷に至るまでの道中では、いくつもの橋梁を渡りますが、そのたびに目に入る橋の下の水面が印象的でした。

川は流れているというより、水をたたえた静かな湖面を見せ、場所によっては小さなダム湖のようにも見えます。実際この一帯には、渓谷の治水と水利用を目的としたダムによって形成された水域があり、暖かい季節にはボート遊びや、水辺でのバーベキューなども楽しめそうな雰囲気があります。冬の訪問では人影はまばらでしたが、夏には賑わいを見せるであろうことが想像できました。

駐車場に車を止め、舗装路からかなり下って渓谷へ降りると、空気は一段と冷たく、湿り気を帯びます。この日の川の水は澄んでおり、水量もそれなりにありましたが、正直なところ「雄大な瀑布」を期待していた私には、やや肩透かしでもありました。水は滝全体に広がるというより、斜面の右半分を伝うように流れており、豪快な白い水柱を想像していた目には控えめな印象です。

加えて足場は悪く、湿った岩や不整地が続くため、滝つぼ近くまで安全に近づくことはできませんでした。一方で、幸い冬の一日とあって来訪者は少なく、行列もなく、谷に響く水音を独り占めするような静けさがありました。

ここを流れる川は養老川です。房総丘陵に源を発し、養老渓谷を刻みながら北上し、やがて市原市方面を経て東京湾へ注ぎます。

「養老渓谷」という名称は、岐阜県の名瀑 養老の滝 に由来します。親孝行の息子が汲んだ水が酒に変わったという養老孝子伝説で知られるこの滝は、古来「長寿」「孝行」「吉祥」の象徴でした。
明治以降、この千葉の渓谷が景勝地として注目される際、その清冽な水と深い谷の趣から「関東の養老」として紹介され、現在の名が定着したとされています。

派手な豪瀑ではありませんが、水の流れ、溜まり、そして最終的に東京湾へ至る長い旅路を思い浮かべながら眺める養老渓谷は、静かで奥行きのある場所でした。冬の一日は、自然と向き合うにはむしろ好都合だったのかもしれません。

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