バレンタインデーの頃から要注意
― スギ花粉症を少しでも楽に乗り切るために ―
間もなくチョコレートを贈り合うバレンタインデーがやってきますが、日本ではこの頃からスギ花粉の飛散が急速に増え始めます。スギ花粉症をお持ちの方にとっては、目のかゆみや涙、充血、鼻水やくしゃみなど、非常につらい季節の始まりです。眼科外来でも、この時期になると「急に目がかゆくなった」「涙が止まらない」と訴えて受診される方が増えてきます。
眼科では、抗アレルギー点眼薬を中心に、必要に応じて内服薬、耳鼻科ではステロイドを含む点鼻薬などが処方されます。これらはいずれも花粉症の症状を和らげるうえで有効ですが、実は症状が出てから使い始めるよりも、1か月ほど前から使い始めることが推奨されています。
その理由は、アレルギー反応が起こる前に、目や鼻の粘膜で起こる炎症反応をあらかじめ抑え、ヒスタミンなどの化学物質が放出されにくい状態を作っておくためです。花粉が体内に入ると、体はそれを異物として認識し、マスト細胞からヒスタミンが放出されます。これが「かゆみ」や「涙」「鼻水」の正体です。薬を早めに使っておくことで、この反応が起こりにくくなり、結果として症状が軽く済む、あるいは出にくくなることが分かっています。これを「初期療法」と呼びます。
一方で、薬だけに頼らず、花粉をできるだけ体に近づけない工夫も非常に重要です。特に、屋外から室内に花粉を持ち込まないことが、症状の悪化を防ぐポイントになります。セーターやフリースなど毛羽立った衣類は花粉が付着しやすいため、この時期は避け、アノラックやナイロン素材など表面が滑らかな上着を選ぶとよいでしょう。
そのほか、日常生活で花粉が体に触れるのを減らす方法には、①外出時にマスクや花粉対策用メガネを着用する、②帰宅時に玄関先で衣類についた花粉を軽く払い落とす、③帰宅後は早めに洗顔やうがいを行う、④洗濯物や布団を花粉の多い時間帯に屋外へ干さない、⑤室内では空気清浄機を活用するといった工夫があります。特に目の症状が強い方では、花粉対策メガネの使用により、目に入る花粉量を大きく減らせることがあります。
また、目をこすらないことも大切です。かゆみがあると無意識に目を触ってしまいがちですが、これにより結膜の炎症が悪化し、症状が長引く原因になります。かゆみが強い場合は、我慢せず早めに点眼治療を行いましょう。
スギ花粉症は毎年繰り返されるつらい病気ですが、早めの準備と日常生活での工夫によって、症状を軽く抑えることが可能です。「毎年ひどくなってから受診している」という方ほど、ぜひ今年は早めに対策を始めてみてください。目の症状でお困りの際は、遠慮なく眼科にご相談ください。



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