ぶどう膜炎

[No.3718] 口内炎は粘膜の傷や炎症から。ビタミンB群の不足、免疫低下、ストレス、感染症などが関与。

口内炎はなぜできるのでしょうか?その治療にビタミンB製剤が使われるようですが、その機序は何なのでしょうか?
◎【口内炎と眼疾患の不思議なつながり】

口内炎は多くの人が経験する粘膜の炎症ですが、実は眼科的な疾患と関わる場合があります。代表的なのが「ベーチェット病」で、再発性の口内炎とともに、虹彩炎や網膜血管炎といった眼の炎症を繰り返す全身性疾患です。眼科を受診した際、口内炎の有無を尋ねられることがあるのはこのためです。視力に関わる重篤な病気の初期症状として、ただの口内炎が手がかりになることもあるため、注意が必要です。眼科と口の中、一見無関係に思える部位が、意外なかたちでつながっているのです。
口内炎は、口腔内の粘膜にできる炎症や潰瘍で、多くの人が経験する一般的な症状です。以下に、口内炎ができる原因と、ビタミンB製剤による治療の機序について、医学的な背景を交えて分かりやすく説明します。

【なぜ口内炎ができるのか?】

口内炎の原因は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが考えられます:

1. 機械的刺激や外傷

  • 頬の内側を噛んだ、歯ブラシで傷つけた、入れ歯や矯正器具の刺激など。

  • 小さな傷から潰瘍や炎症が生じ、口内炎になります。

2. 栄養不足

  • 特にビタミンB群(B2, B6, B12など)や鉄分、葉酸の不足は粘膜の修復機能を低下させ、口内炎ができやすくなります。

3. ストレス・疲労・免疫低下

  • 睡眠不足や過労、精神的ストレスにより免疫力が低下すると、通常なら治癒する微細な傷が治らず、炎症が悪化します。

4. 感染症

  • ヘルペスウイルスやカンジダ(真菌)などによる感染性の口内炎もあります。

  • アフタ性口内炎(白く浅い潰瘍ができる)は原因不明なことも多く、自己免疫や遺伝的要因も疑われています。

5. 薬剤や全身疾患

  • 免疫抑制薬、抗がん剤、あるいはベーチェット病、潰瘍性大腸炎、鉄欠乏性貧血などの全身疾患が背景にあることも。


【ビタミンB製剤が使われる理由と作用機序】

口内炎の治療にビタミンB群(特にB2、B6、B12)が処方されるのは、以下のような理由があります:

1. ビタミンB2(リボフラビン)

  • 粘膜や皮膚の健康維持に必須。

  • 欠乏すると、口角炎、舌炎、口内炎、皮膚炎などが起こりやすくなります。

  • 粘膜のターンオーバー(再生)を助け、傷の修復を促進します。

2. ビタミンB6(ピリドキシン)

  • アミノ酸代謝や神経伝達物質の合成に関与。

  • 粘膜細胞の形成と修復に必要。

  • 抗生物質などの長期使用やアルコール摂取で不足しやすい。

3. ビタミンB12(シアノコバラミン)や葉酸

  • 赤血球の生成やDNA合成に関与。

  • 欠乏すると「巨赤芽球性貧血」とともに、舌や口腔粘膜に炎症を起こしやすくなります。


【まとめ】

口内炎は粘膜の小さな傷や炎症から始まり、ビタミンB群の不足、免疫低下、ストレス、感染症などが関与しています。

ビタミンB製剤は、粘膜細胞の代謝や再生を助けることで、症状の軽減や治癒促進に役立ちます。


もし、慢性的に口内炎を繰り返す場合は、全身的なビタミンや鉄の不足、あるいは消化器疾患や自己免疫疾患などの可能性も考慮されますので、医療機関での検査をお勧めします。

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