眼瞼痙攣

[No.3966] Q&A:ボトックス治療と眼瞼炎について

Q&A:ボトックス治療と眼瞼炎について

Q1:眼瞼痙攣でボトックス治療を受けています。ボトックスが原因で「眼瞼炎」になることはありますか?

A:現在の医学的な報告では、「ボトックスそのものが直接眼瞼炎を起こす」という明確な例はほとんどありません。ただし、ボトックス注射によってまぶたの動きが弱まることで、まばたきが浅くなったり、完全に閉じにくくなることがあります。すると涙の蒸発が増え、目の表面が乾燥しやすくなり、その結果としてまぶたの縁に炎症(眼瞼炎様の症状)が出ることはあります。


Q2:眼瞼炎になると、どのような症状が出ますか?

A:主な症状は次のようなものです。

  • まぶたの縁の赤みやかゆみ

  • 目のゴロゴロ感や異物感

  • 涙が出やすい、あるいは乾燥感

  • まつ毛の根元にかさぶたやフケのような付着物

  • 朝起きたときのまぶたの腫れやまつ毛の固まり

これらの症状は「まつ毛の根元や皮脂腺のトラブル」が関与することが多く、ボトックス治療中の方では乾燥や瞬きの質の変化により出やすくなることがあります。


Q3:もし眼瞼炎になった場合、どのような対策がありますか?

A:症状が軽い場合は、まず次のようなセルフケアが役立ちます。

  • 温かいタオルでの温罨法:まぶたを温めることで油の詰まりをやわらげます。

  • まぶたの清拭:専用の清浄綿やコットンで、まつ毛の根元を優しく清掃します。

  • 人工涙液の点眼:乾燥をやわらげ、目の表面を保護します。

症状が強い場合には、医師の判断で次のような治療を行うことがあります。

  • 弱いステロイド軟膏の外用:まぶたの皮膚の赤みや腫れを抑えるために、短期間だけ使用します。

  • 抗菌薬の点眼や軟膏:細菌の関与が疑われる場合に併用されます。


Q4:ステロイドを使っても大丈夫ですか?

A:まぶたの皮膚はとても薄いため、強いステロイドを長期間使うと皮膚が薄くなったり、眼圧が上がる副作用が出ることがあります。そのため、眼科では弱いステロイドを短期間だけ使用するのが基本です。必要に応じて抗菌薬や人工涙液を組み合わせて、安全に治療します。


Q5:再発を防ぐためにできることはありますか?

A:再発予防のためには以下が大切です。

  • まぶたを清潔に保つ習慣を身につける

  • 温罨法を習慣的に行う

  • 目の乾燥を感じたら人工涙液で早めに対応する

  • 異常を感じたら早めに眼科を受診する


まとめ

ボトックス注射が直接眼瞼炎を引き起こすことは少ないですが、まばたきや涙の状態が変化することで炎症が出ることがあります。軽度ならセルフケアで改善しますが、症状が続く場合は眼科での診察が必要です。治療では弱いステロイド軟膏の短期間使用が有効であり、人工涙液やまぶたの清拭といった日常的なケアを組み合わせることが大切です。


👉この記事は一般的な情報であり、症状や治療は個々の患者さんの状態によって異なります。実際に症状がある方は、必ず眼科でご相談ください。

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