白内障

[No.4105] 日本の国債と円安をやさしく整理――なぜ利上げが難しいのか

日本の国債と円安をやさしく整理――なぜ利上げが難しいのか

◎ 少し前のものですが、日本の国債発行額とドル円の関連を解説した中田敦彦の動画です。日本の政局の不安定さとトランプ米国大統領の関税政策などを受けて再びドル円換算比率は円安に傾いています。今後の動向はどうなのでしょうか?

此処から本文です;日本の国債残高はおよそ1000兆円。家計に置き換えると、「年収(=GDP)に対して借金がとても大きい家」の状態です。しかもその国債の約半分を日本銀行(中央銀行、以下日銀)が保有しています。

2013年以降の「異次元の金融緩和」は、景気てこ入れのために国債を大量購入し、市場にお金を流しました。法律上、政府が発行した国債を日銀が直接引き受ける「財政ファイナンス」は禁止ですが、実務では民間銀行が一度買った国債を日銀が買い入れる形(買入オペ)で実質的に同様の効果が続きました。

問題は出口です。金利を上げると、日銀には二つの痛手が同時に来ます。第一は逆ざや。日銀は民間銀行の当座預金に利子を支払う必要があるため、金利が上がるほど支払いが増えます。第二は含み損。金利が上がると既存の国債価格は下がるため、日銀が保有する国債の評価が目減りします。逆ざやと含み損の「ダブルパンチ」が大きすぎると、日銀の財務が悪化し、「本当に通貨を守れるのか」という信用が揺らぎます。通貨は最終的に「信用」で成り立つため、ここが“最終防衛線”です。

最悪の連鎖は、信用低下 → 円急落 → 輸入物価高騰 → インフレ加速です。極端に進めば、歴史上の事例のように「通貨切替(デノミ)」や実質的な資産目減りが語られることもあります。ただし、これはあくまで最悪シナリオ。現実的には、為替介入で時間を稼ぎつつ、日銀が耐えられる範囲で小刻みな利上げを重ね、信用を保ちながら正常化を目指す線が有力と見られます。背景には、日本の成長力や人口動態など構造的な課題もあります。

では私たち個人は?要点は三つ。①資産を円だけに偏らせない(外貨建ての預かりや外貨資産を検討。ただし手数料に注意)。②長期・分散・積立の基本に沿って、NISA等で世界株の広く薄いインデックスをコツコツ(無理のない余剰資金で、“一点賭け”はしない)。③不安につけ込む投資詐欺に要警戒(有名人なりすまし広告など「楽に儲かる話」は避ける)。どの資産も値動きするため、「これだけ安全」は存在しません。シナリオが円安でも円高でも致命傷にならないよう、リスク分散が鍵です。


清澤眼科院長・清澤のコメント

医療の現場では、円安が進むと輸入の医療材料や機器のコストが上がり、患者さんの負担や医療機関の経営にも波及します。国の金融政策は一朝一夕に変えられませんが、私たちができる備えはあります。①日常の支出を見直し、急な物価上昇に耐える家計の余力を作る。②資産は「長期・分散・低コスト」を守り、焦って大きく動かない。③不確実な時ほど健康管理を怠らず、受診や治療のタイミングを先送りしない。過度に恐れず、冷静に準備を重ねることが、結果としてご自身とご家族の目と暮らしを守る力になります。

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