ぶどう膜炎

[No.4622] 以前ぶどう膜炎で大学病院に紹介され、治療してもらえていたのに通院が途切れ、その後「虹彩後癒着」が進んでいる状態といわれました。

Q:以前ぶどう膜炎で大学病院に紹介され、治療してもらえていたのに通院が途切れ、その後「虹彩後癒着」が進んでいる状態といわれました。これからどうなるのでしょうか?

A:現在の状態と今後の大切なポイントについてご説明します。

今回の目の状態は、もともと「ぶどう膜炎」と呼ばれる炎症が目の中に起きたことがきっかけで、その後しばらく通院が途切れた間に、虹彩(黒目のふちの部分)と水晶体がくっついてしまう「虹彩後癒着」が再度、ある程度進んだものと考えられます。この癒着は、炎症が起きた際に起こりやすい変化のひとつです。

現在の診察では、炎症はごく軽く、眼圧(目の硬さ)も正常範囲に保たれており、急いで手術やレーザーなどの強い治療を行う段階ではないかもしれません。そのため、まずは炎症をしっかり抑えることを優先し、ステロイド点眼を再開して経過を見ていく方針になるでしょう。また、今回の原因や今後の治療方針については、最初に診断を行った大学病院とも連携しながら慎重に判断していきます。

ここで大切なのは、「今は落ち着いているから安心」という状態ではない、という点です。ぶどう膜炎は一度良くなったように見えても、再び炎症が強くなることがしばしばあり、そのたびに癒着が進んでしまう可能性があります。癒着がさらに進むと、瞳の動きが悪くなるだけではなく、目の中の水の流れが妨げられて眼圧が上がったりすることもあり、最悪の場合には緑内障のような状態になることもあります。

しかし逆に言えば、きちんと通院を続けて炎症をコントロールできれば、これ以上悪くなることを防ぐことが十分可能です。 今回の段階で大きな処置が不要であるというのは、むしろ「適切に管理すれば安定を保てる状態」であるとも言えます。

そのため、今後の治療で最も重要なのは「通院を中断しないこと」です。症状が軽くなると、どうしても「もう大丈夫だろう」と感じてしまいがちですが、ぶどう膜炎は自覚症状が乏しいまま進むことも少なくありません。見え方に問題がなくても、診察をしないと分からない変化が起きていることがあります。

点眼治療についても同様で、自己判断で中止してしまうと、知らないうちに炎症が再燃し、癒着がさらに強く固定されてしまうことがあります。医師の指示に従って継続することが、将来の視力を守るうえで非常に重要です。

今後は、炎症の程度や癒着の状態、眼圧などを定期的に確認しながら、必要に応じて治療内容を調整していきます。もし変化があれば、その段階でレーザーや手術屋癒着した虹彩をはがす手術などの追加治療を検討することになりますが、現時点ではそこまでの必要はないかもしれません。

どうか「今は軽いから大丈夫」と考えず、「今のうちにしっかり管理することが大切」と理解していただければと思います。定期的な診察と点眼治療を続けることが、目の状態を長く安定させる一番の近道です。気になる症状があれば、予定日を待たずに早めに受診してください。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. 以前ぶどう膜炎で大学病院に紹介され、治療してもらえていたのに通院が途切れ、その後「虹彩後癒着」が進んでいる状態といわれました。

  2. 甲状腺眼症の新しい見方:抗体と細胞の“かけ算”で理解する目の病気 ―吉村弘先生の考えをわかりやすく―

  3. 子供の斜視について