眼瞼疾患

[No.3223] 内麦粒腫の説明と治療法について

内麦粒腫の説明と治療法について

内麦粒腫は、眼瞼の内側に位置するマイボーム腺が細菌感染を起こして腫れる病気です。主にまぶたの腫れ、痛み、発赤、圧痛といった症状が現れます。早期の段階では、まぶたの不快感や軽い腫れから始まり、進行すると膿を伴う硬いしこりが形成されることがあります。内麦粒腫は表面に見えにくいため、初期のうちは気づかない場合もあります。

診断的な特徴
診察では、腫れているまぶたを内反して観察し、腫瘤や炎症の有無を確認します。マイボーム腺の出口が閉塞している場合や膿が溜まっている場合が特徴的です。時に、触診で硬さを感じることがあり、炎症の程度を判断する手がかりになります。また、感染が広がると、眼瞼全体の腫れや周囲組織への波及(蜂窩織炎)を伴うことがあるため、慎重な観察が必要です。

注意点
初期の段階では、適切な処置で自然治癒することもありますが、以下の点に注意してください。

  1. 刺激を避ける:まぶたを強くこすったり、押したりしないよう注意が必要です。
  2. 感染拡大の予防:清潔を保つことが重要で、汚れた手で触れることを避けましょう。
  3. 早期治療の重要性:放置すると膿が増えて感染が広がるリスクがあるため、早めの受診が推奨されます。

処方薬
内麦粒腫の初期治療として、抗菌薬の点眼や軟膏を処方することがあります。これにより、感染を抑え症状の進行を防ぐことが期待できます。また、場合によっては、内服の抗菌薬を併用することがあります。炎症が強い場合は、非ステロイド性抗炎症薬の使用も検討されます。

温罨法の活用
温罨法は内麦粒腫の治療において重要な家庭療法です。これによりマイボーム腺が開きやすくなり、炎症の軽減や膿の排出を助けます。以下に温罨法の方法を説明します。

  1. 準備

    • 清潔なタオルを用意します。
    • 温かいお湯(約40~45℃)にタオルを浸し、軽く絞ります。
    • 温めすぎに注意し、皮膚が火傷しない温度に調整してください。
  2. 実施方法

    • 温かいタオルを閉じたまぶたの上にそっと置きます。
    • そのまま5~10分程度温め続けます。
    • タオルが冷たくなった場合は、再度温めて繰り返します。
  3. 頻度

    • 1日に2~3回程度を目安に行ってください。

注意点
温罨法を行う際は、使用するタオルや手を清潔に保つことが重要です。また、温めすぎによるやけどに注意してください。効果がみられない場合や症状が悪化する場合は、早めに受診してください。

手術的処置について
薬物治療で改善が見られない場合、または膿が溜まってしこりが形成されている場合は、切開排膿を行うことをお勧めします。この処置は局所麻酔を行ったうえで、まぶたの裏側から膿を排出し、感染源を取り除きます。傷跡は表面には残らず、術後の回復も比較的早いことが特徴です。手術後は感染の再発を防ぐため、抗菌薬の点眼や軟膏を継続使用する必要があります。

手術後の注意点
術後は患部を清潔に保ち、処方された薬を指示通りに使用してください。また、術後1週間程度は、激しい運動やまぶたを強くこする行為を避けてください。定期的な診察で炎症の治癒状態を確認することも大切です。

内麦粒腫は適切な治療を受けることで、早期に改善が期待できる疾患です。もしご不明な点や不安なことがございましたら、遠慮なくご相談ください。安心して治療を受けていただけるよう、全力でサポートいたします。

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