緑内障患者さんへの定期通院の重要性について
緑内障は視神経が徐々にダメージを受け、視野が狭くなる病気ですが、早期に発見し適切な治療を継続することで、進行を抑えることができます。しかし、緑内障の特徴として、自覚症状がほとんど現れないことが多く、進行してから気づくことがある点に注意が必要です。
点眼薬を毎日正しく使うことは、眼圧をコントロールし、視神経を保護するために非常に重要です。ただし、点眼薬だけで病状を完全に把握することはできません。そのため、以下の理由で定期的な通院が欠かせません:
-
眼圧の確認
眼圧は一定ではなく、日々や季節によって変動することがあります。定期検査により、眼圧がおおよそ15ミリ水銀柱以下の治療目標内に収まっているかを確認し、必要に応じて治療方針を調整します。 -
視野検査
緑内障では、視野が少しずつ欠けていく可能性があります。ハンフリー視野検査を行うことで、視野の変化を早期に捉え、進行を防ぐ手立てを講じます。緑内障視野は視野インデクスという数値のグラフ(図の中央のグラフが傾向として右下がりになっています)、あるいはMD(ミーンデフェクト)という数字で緑内障の最新の重症度が解ります。 -
視神経の状態のモニタリング
視神経の状態を観察するためにOCT(光干渉断層計)などの精密検査を行います。これにより、視神経乳頭陥凹拡大や神経線維束欠損などの視神経に新たなダメージが出ていないかを確認します。もっとも簡単には視神経乳頭の窪みが視神経の直径に対して占めるパーセント値で、そして神経線維層欠損も網膜上の赤い帯としてはっきり其の増加を見ることができます。 -
治療の適正化
点眼薬や治療法が体質や生活環境に合わない場合、十分な効果が得られないことがあります。定期通院によって、治療の効果や副作用をチェックし、最適な治療法を継続します。
緑内障の進行はゆっくりである場合が多いため、「点眼薬を使っているから大丈夫」と自己判断し、通院を怠ると、進行に気づかないまま視力を失う危険があります。定期的に眼科に通うことで、病気の変化を早期に発見し、最善の対応をすることができます。通院は視力を守るための大切な行動ですので、必ず医師の指示に従い、定期的な検査を受けましょう。
コメント