神経眼科

[No.3051] 先天性眼振とは?特徴と対応。

先天性眼振とは?

先天性眼振(または乳児眼振)は、目が反復的に、無意識のうちに動く状態を指します。この動きは、左右(水平方向)、上下(垂直方向)、または円を描くように起こることがあります。通常、この状態は乳児期、主に生後数ヶ月以内に気が付かれ、以後ほぼ同じ状態が続きます。。

特徴と症状

先天性眼振がある人は、人から見て両目が「揺れて」または「震えて」見えることがあり、これが本人の視力に影響を与えることがあります。この動きは、特に物に焦点を合わせようとすると目立ちやすくなります。また片眼を覆うと他眼の揺れが強まることもあります。視力はややぼやけて低下することがありますが、頭の位置を特定の角度にすることで、目の動きが少なくなり視力が改善することがあります。この角度を「ヌルポイント」と呼びます。

原因

先天性眼振は、目の動きを制御する脳の一部に関連していると考えられていますが、正確な原因は不明な場合が多いです。この状態は、アルビニズム(白皮症)や先天性白内障、視神経の発達不足など、他の目の状態に関連していることもありますが、眼振だけが独立して発症することもあります。

治療法

先天性眼振に根本的な治療法はありませんが、視力を改善したり症状を和らげたりするためのいくつかの方法があります:

  1. 眼鏡やコンタクトレンズ:屈折異常の矯正が、視力の改善に役立つことがあります。
  2. 薬物療法:ガバペンチンやメマンチンのような薬が、いくつかのケースで眼の動きを抑える効果を示すことがあります。
  3. 手術:眼筋手術により、頭の姿勢を調整し、目がより安定した位置になるように調整することができ、ニュルポイントを減少させる可能性があります。
  4. 視覚療法:視力を最大限に活用するための訓練が有用な場合もありますが、眼振そのものには限られた効果しかありません。

予後

先天性眼振は通常、一生続く状態ですが、悪化することはほとんどありません。ほとんどの先天性眼振の方は通常の生活を送ることができ、視力も安定していますが、ややぼやけた状態が続くことがあります。視力の健康を定期的にチェックし、関連する他の状態を管理するために眼科医の定期的な受診が重要です。

注意:免許を取った時には0.7程度の視力でパス出来ていて、更新時には視力がぎりぎり不足と判定されることが考えられます。先天眼振では片眼を隠すと他眼の揺れが増し、視力が下るので両眼開放での視力も見てもらえると良いでしょう。

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