ナルコレプシーの概要
強い眠気があり、日中に眠り込んでしまうというナルコレプシーとその眼症状を説明してみます。
原因
ナルコレプシーは睡眠覚醒サイクルの調節に関与する神経伝達物質オレキシン(ヒポクレチン)の欠乏が主な原因とされています。これにより、覚醒を維持する機能が低下し、日中に過度の眠気が生じます。オレキシンの欠乏は自己免疫疾患や遺伝的要因が関連していると考えられています。
症状
- 過度の日中眠気(EDS)
強い眠気があり、日中に眠り込んでしまうことがあります。 - カタプレキシー(情動脱力発作)
感情が高まったときに突然筋肉の力が抜け、倒れることがあります。 - 睡眠麻痺
目が覚めているのに体を動かせない状態が一時的に起こります。 - 入眠時幻覚
眠りに落ちる際に鮮明で恐怖感を伴う幻覚を体験することがあります。 - 断片的な夜間睡眠
睡眠が浅く、途中で何度も目が覚めることがあります。
治療法
- 薬物療法
- 覚醒剤(モダフィニルやソディウムオキシベート):日中の眠気を軽減します。
- 抗うつ薬(SNRI、三環系抗うつ薬):カタプレキシーの抑制に効果があります。
- ヒポクレチン受容体作動薬:新しい治療法として開発が進められています。
- 生活習慣の改善
- 日中の短い昼寝(計画的な昼寝)
- 睡眠スケジュールの調整
- 心理的サポート
精神的なサポートやカウンセリングも重要です。
ナルコレプシーと眼の関連症状
- 視覚障害
- 入眠時幻覚や覚醒時幻覚が視覚的に表れる場合がありますが、これ自体は眼の構造的な異常ではなく、脳内での認知プロセスの異常に起因します。
- 眼瞼下垂
一部のナルコレプシー患者では、慢性的な筋緊張の低下が眼瞼下垂を引き起こすことがあります。 - 眼球運動異常
ナルコレプシーはREM睡眠(急速眼球運動睡眠)の異常を伴うため、睡眠中や入眠時に異常な眼球運動が観察されることがあります。 - 羞明(光に敏感になる)
睡眠不足や断片的な睡眠が原因で光に対する感受性が高まることがあり、羞明が報告されることがあります。
医師や患者向け説明ポイント
- ナルコレプシーの診断には多項目睡眠検査(ポリソムノグラフィ)や睡眠潜時反復検査が使用されます。
- 視覚症状や眼に関連する問題は通常ナルコレプシーに付随する二次的なものと考えられ、神経学的な観点での治療が重要です。
- 眼科的な検査は、視覚障害がナルコレプシー以外の要因によるものかどうかを確認するために有用です。
何か特定の症状や治療に関する詳しい説明が必要でしたらお知らせください。
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