眼の調節力の加齢による減少と老視の発生について、各年齢層における標準的調節力の値を加えて説明します。
加齢により、水晶体の弾性が低下し、水晶体核は大きく弾性が低下するため、調節力が低下します1。老視は、年齢とともに調節力が減衰し、調節しても近方視が困難になった状態であり、一種の老化現象とされています1。老視の定義には、「遠点から近点まで焦点合わせを行ったときの屈折力変化を調節力という」とあります1。
以下は、各年齢層における標準的調節力の値です1。(もともとが正視で近視も遠視も無い時の調節近点は12.0Dに対しては100割る12で8.3cmとなります)同様に以下の表が得られます。標準的な調節力をところ教授の現代の眼科学から引用しますと、
- 10歳:調節力12.0D(元が正視の場合には 8.3cm)
- 20歳:調節力9D(同 11.1cm)
- 30歳:6.0D (同 16.6cm)
- 40歳:4.0D (同 25.0cm)
- 50歳:2.0D (同 50.0cm)
- 60歳:1.0D (同 100cm)
- 普通の読書時の目と紙面の距離が33cmとすれば、近点距離が33cmを超え、老眼鏡が必要になるのが45歳ころという事がわかります。遠方視力を完全矯正した場合についての計算ですから、元から近視があればその眼鏡をはずすことで近見障害は出ないことになります。
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