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[No.3963] 高級レストランでVIPのように扱われる6つのコツ:記事紹介

高級レストランでVIPのように扱われる6つのコツ

――気配りが体験を豊かにする

高級レストランでの食事は、多くの人にとって特別な体験です。誕生日や記念日など、大切な節目を彩る時間でもあります。私自身も高級レストランを訪れる機会はそう多くありませんが、先日「どうすればVIPのように扱われるか」という興味深い記事を読みましたのでご紹介します。ちなみに、私の家内はかつてフランスの名門「トゥール・ダルジャン」やフィラデルフィアの「ルベックファン」という名店で厨房研修をしていたことがあり、料理人の目から見ても納得できる点が多い内容でした。

この記事の著者は、アダム・ライナー氏。ニューヨークの有名店で20年以上にわたり給仕を務め、米料理界の「アカデミー賞」とも呼ばれるジェームズ・ビアード賞を受賞した人物です。彼は最新刊『外食の新ルール:レストランを楽しむためのインサイダーガイド』(2025年9月刊行)で、誰でも取り入れられる6つの心得を紹介しています。それは「お金をたくさん使う」ことではなく、むしろ人としての気配りや態度が大切だというものです。


1. スマホばかり見ない

食事中に写真を撮るのは構いませんが、常に画面を見ていてはスタッフとの関わりが生まれません。スタッフは「自分に関心を向けてくれるお客さま」を大事にします。目を合わせて言葉を交わすことが、心地よいサービスにつながります。


2. おすすめを聞くなら具体的に

「おすすめは何ですか?」とだけ尋ねても十分な答えは得られません。例えば「軽めの料理で、バターは控えめだと嬉しい。スズキとオヒョウならどちらがおすすめですか?」と具体的に尋ねれば、より的確な提案が返ってきます。


3. テーブルを占領しすぎない

特別なひとときだからといって、長時間居座るのは考えもの。テーブルは「借りている」ものです。食後もゆっくり過ごしたいときは、バーに移動して食後酒を楽しむとスマート。そうした姿勢が、次回の来店時の印象にもつながります。


4. サポート役のスタッフも忘れずに

水を注ぎ、パンを補充し、片付けをしてくれるスタッフ(パッサー)は、給仕よりも長く客の様子を見ていますが、直接感謝を受ける機会は少ない存在です。小さな心づけや笑顔での声かけは、彼らのモチベーションを高め、サービス全体をより快適にしてくれます。


5. 食事を事前に決めすぎない

人気メニューや口コミに頼るのもいいですが、あらかじめ決めすぎると、その日ならではの特別料理や裏メニューを逃すこともあります。スタッフとメニューを相談しながら決める時間そのものが、豊かな体験となります。


6. 新しい店に過度な期待をしない

開店直後の店は「新生児のようなもの」。サービスや調理が安定するには時間が必要です。数週間から数か月経ってから訪れると、落ち着いた雰囲気の中で満足度の高い体験ができ、スタッフとも関係を築きやすくなります。


まとめ

ライナー氏は「過剰にお金を使うことだけがVIPへの道ではない」と語ります。むしろ、スタッフに敬意を払い、気配りを忘れないことこそが、双方にとって良い関係を築くカギ。レストランでの一夜を特別にするのは、料理だけではなく、人と人との心の交流なのです。


清澤のコメント

この記事を読んで、私は医療現場との共通点を強く感じました。病院でもレストランでも、サービスを支えているのは人です。患者さんに向ける思いやりや感謝の言葉が診療をスムーズにするように、レストランでもスタッフへの配慮が食事体験を豊かにします。高級レストランに限らず、日常の食事や診療の場面でも「相手を尊重する気持ち」を大切にしたいと思います。


出典

Kate Krader, How to Be a VIP Diner (Bloomberg Pursuits, 2025年9月13日)

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