日本の眼科が届きました。今回のテーマは視覚障害者の就労支援です。5つの記事の要点をまとめてみます。
◎ 総説、視覚障害者の就労支援で:石子智士さんは視覚障害者の就労支援に関する総説で、ロービジョンケア:視覚障害者の生活の質を向上させ、社会参加を促進するための全面的な支援。実施:眼科医や看護師などによる基本的なケアと、日常生活訓練や職業訓練などの実践的なケアの提供。そして教育:医学生への卒前教育と卒後教育の両方でロービジョンケアの教育が期待されていることを説明しています。
◎ 視覚障害者の就労支援―眼科医の立場から―で井上賢治さんは、視覚障害者の就労支援で一番大切なことは「仕事を簡単に辞めてはいけない」ことであるとしている。主なポイントは:仕事の継続:視覚障害者が職場で働き続けるための支援。スマートサイト:視覚障害者のための情報提供システム。福祉施設:職業開発や訓練を提供する施設。障害者枠:障害者雇用促進法に基づく就業継続の選択肢。を説明している。私清澤も、医師の診断書で仕事の軽減を求めるのは良いが、それが退職に向かわせることがないようなものであることの必要性は日ごろ痛感している。
◎視覚障害者の就労支援―ICT の利活用で堀寛爾さんは、視覚障害者の就労支援―ICT の利活用で:視覚障害者がスマホやパソコンなどの情報通信技術(ICT)機器を使って日常生活や就労を継続するための方法や事例を紹介する。またICT 機器の利活用の基本では:設定画面にある「アクセシビリティ」や「ユーザー補助」という項目で,文字の拡大や色の反転,音声読み上げなどの機能を有効にすることができると述べる。アプリのダウンロード:紙媒体から情報を得る場合など,基本設定で足りない部分はアプリのダウンロードが必要である。 AI を用いたアプリは画像に映っているものや文字を認識して教えてくれる。さらに、他施設との連携では: 視覚障害者情報提供施設や視覚特別支援学校,患者団体や支援団体などに紹介することが重要であるとのべる。職場との連携:職場のパソコンやシステムにアクセシビリティの機能を有効にする場合,産業医や勤務管理者だけではなく,情報システム担当者も交えて議論する必要があるという。
◎ 視覚障害者の就労支援―産業医の立場から―川島素子さんは:かわしま労働衛生コンサルタント事務所兼、慶應義塾大学医学部眼科特任講師である。氏は、視覚障害者の就労支援の重要性において、視覚障害者は社会的に自立するために就労が必要であり,事業者にとっても経験や技術を持つ労働者の雇用継続は有益である。産業医の役割と連携では:産業医は視覚障害者の見え方や困り度を把握し,連携して就労継続に向けた意見や支援を提供するという。また、サポートツールの活用で就労支援に関するリーフレットやガイドラインなどの情報を参考にして,相談先や支援機器などの社外リソースを活用すると述べている。職場の環境調整とメンタルケア:視覚障害者の業務内容や作業効率,通勤やコミュニケーションの問題に対して,物的・人的な配慮や工夫を行う。また,メンタルヘルスを向上させる必要を述べた。
◎ 視覚障害者の就労支援の現状と課題で、熊懐敬さん(認定 NPO 法人タートル)は、就労環境:視覚障害者の就職の困難さと職場での課題を述べ、あはき(あんま、鍼、灸)の従事者は減少し,事務職に就いている人が一定数であるといいます。タートルの活動では視覚障害者の就労支援を行うNPO法人タートルの活動と成果をのべ、課題として:雇用主の理解促進、視覚障害者のケアと訓練、職場のICT環境改善などが挙げられるといいます。また視覚リハビリテーションへの早期介入が期待されているといいます。
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