神経眼科

[No.2321] Leber病(レーベル遺伝性視神経症)の簡易な説明です

このブログではLeber病に関する基本的説明が作ってなかったのでその記載を追加しておきます。神経眼科勉強会では8例のレーベル病視力回復例が示されました。

レーベル遺伝性視神経症は、ミトコンドリアの遺伝子の変異により、網膜の一部の細胞が選択的に障害される病気です。男性に多い疾患で、10〜30歳代に発症の大きなピークがあり、40歳代前後にもう一つのピークがあります。症状には、両眼性の視力低下、中心暗点、光視症、羞明などが含まれます。診断には、眼底検査、視野検査、眼圧検査、視力検査、遺伝子検査などが行われます。治療法は確立されておらず、現在は呼吸鎖に関連する補酵素であるコーエンザイムQ10に関連した薬剤イデベノンの有効性が示されつつあります。米国では遺伝子治療も研究されているという話があります。

レーベル病ではミトコンドリアの呼吸鎖に関連する酵素の異常が病気の原因です。そして、その異常な遺伝子(11778など)の割合が95%程度を超えないと、遺伝子検査で異常な素因を持っていても発症しません。この正常と異常な遺伝子が混在している状況をヘテロプラスミーと呼びます(注)。そこで、海外ではウイルスベクターを利用して正常な遺伝子を細胞内に移植することで細胞内呼吸を正常化させられるだろうという遺伝子治療の研究が行われています。レーベル遺伝性視神経症に対する遺伝子治療は、遺伝子を正常なものに置き換える(実は僅かであっても正常なものを加える)ことで、病気の原因となる遺伝子の変異を修正することを目的としています3. しかし、遺伝子治療はまだ実験的段階であり、安全性や有効性については十分に検証されていません2. 今後の研究に期待が寄せられています。 1: 難病情報センター 2: 日本小児眼科学会 3: 日本遺伝子治療学会

注;Tanaka A, Kiyosawa M, Mashima Y, Tokoro T. A family with Leber’s hereditary optic neuropathy with mitochondrial DNA heteroplasmy related to disease expression. J Neuroophthalmol. 1998 Jun;18(2):81-3. PMID: 9621260.

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