AI革命と空間コンピューティングとが変える医療の未来──眼科診療における新しい道具たち
ネットを見ていたらAI革命から更に空間コンピューティングへと実社会が進化してゆくことが説明されていました。私も生成AIをブログ記事作成や患者さんへの説明に使わせてもらっていますが、その性能も日々進化していることを実感し、その性能にも満足しています。今日はAI革命と空間コンピューティングとが変える医療について考えてみます。
記事構成
- はじめに:AIで変わる日常と診療
- コンピュータ革命3.0とは何か?
- 空間コンピューティングとは?
- AI × 空間技術がもたらす社会と医療の変化
- 眼科医療への応用例と実感
- おわりに:医師の支援道具としてのAIとその先へ
- はじめに:AIで変わる日常と診療
私は眼科医として日々の診療に携わる傍ら、当院のブログを通じて医療や社会にまつわる話題を発信しています。最近では、生成AI(ChatGPT-4o有料版)を最大限に活用することで、自分の考えを短時間で合理的に整理できるようになり、また発信内容の質も明らかに向上したことを実感しています。
そして、診療の現場でも、AIによって自分が知っている疾患についての説明文も要点を押さえつつ図も添えてすぐに作成することが可能となり、それをその場で患者さんに提示することで、説明の質と理解度がともに高まるようになりました。これは単なる医師の趣味や効率化にとどまらず、患者さんの福利にも直結する新たな医療支援の形だと感じています。その性能も日々改善していることを実感しています。
- コンピュータ革命3.0とは何か?
今、私たちは「コンピュータ革命3.0」と呼ばれる技術革新の真っただ中にいます。これまでの革命は次のように区分されます:
世代 |
特徴 |
1.0 |
計算機の時代:計算や事務処理の自動化 |
2.0 |
インターネット革命:情報共有・通信の自由化 |
3.0 |
AI革命:コンピュータが「考える」ようになった時代 |
ChatGPTに代表される生成AIは、自然な言葉で応答し、文章を組み立て、要約や翻訳も行います。医療分野でもすでに文書作成支援や研究要約、ガイドラインの読み解きに役立っています。
- 空間コンピューティングとは?
一方、「空間コンピューティング」とは、コンピュータが現実空間を認識・操作し、情報を空間に重ねて表示できる技術です。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)がその中心にあります。
Apple Vision Proなどのデバイスでは、実際の部屋に仮想のモニターやデータが浮かび上がり、手で操作することすら可能です。現実の空間がそのままディスプレイ兼操作盤になる、そんな世界が始まっています。
- AI × 空間技術がもたらす社会と医療の変化
このAI(頭脳)と空間コンピューティング(目・手足)が融合すると、医療や教育、生活に革新が起きます。
日常の例:
- 室内の壁に浮かぶ天気やスケジュール
- 音声で依頼すれば、目の前に最適な情報が表示される
医療の例:
- 手術中の空中に3D解剖図を表示、AIが病変部位をマーク
- スマートグラス越しに視野検査結果やOCT画像を即座に可視化
- 眼内構造を患者と共有しながら立体で説明
- 眼科医療への応用例と実感
すでに眼科領域では、AIがOCTや眼底写真を解析して病変を特定したり、緑内障や加齢黄斑変性の早期発見に貢献しています。
さらに、AIで作成した患者説明文を図解付きで提示することで、患者の理解を助け、治療への納得感を高めることができます。これは、診療時間内で実現可能な「質の高いインフォームド・コンセント」の手段として非常に有効です。
私自身も、AIを通じて得られた整理された説明文を患者さんに見せることで、表情が明らかに柔らかくなり、質問も具体的になる場面を何度も経験しています。
- おわりに:医師の支援道具としてのAIとその先へ
空間コンピューティングとコンピュータ革命3.0は、今後ますます私たちの診療スタイルや情報提供の方法を変えていくでしょう。生成AIは、単なるツールではなく、医師と患者をつなぐ“橋渡し”の存在になりつつあります。
これらの技術を、医師の倫理観と専門性のもとに上手に活用していくことが、これからの医療には求められているのだと思います。次の時代の医療に向けて、私たちも日々の診療の中で少しずつ歩みを進めていきましょう。
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