自由が丘 清澤眼科について

[No.3984] 自由が丘清澤眼科最近の話題(長版) 85号;9月22日( 月曜日)

 ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(9月22日)で85。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(9月21日で)859になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。

①  ご近所の話題など 

◎ 自由が丘の街角で  喫茶店アンセーニュダングル

「角の看板」という意味のフランス語の名前を冠された喫茶店です。長いカウンターがあり、店主がお客の女性数人にカウンターの由来を説明していました。いかにも古い喫茶店です。

自由が丘の街角で──喫茶店アンセーニュ ダングル

◎ 高級レストランでVIPのように扱われる6つのコツ:記事紹介

この記事の著者は、アダム・ライナー氏。ニューヨークの有名店で20年以上にわたり給仕を務め、米料理界の「アカデミー賞」とも呼ばれるジェームズ・ビアード賞を受賞した人物です。彼は最新刊『外食の新ルール:レストランを楽しむためのインサイダーガイド』(2025年9月刊行)で、誰でも取り入れられる6つの心得を紹介しています。

◎ 自由が丘でランチ 大戸屋(おおとや)レストラン自由が丘南口店

大戸屋は、日本全国に店舗を構える定食チェーンです。家庭で作るような栄養バランスの良い食事を外食でも提供することを理念としています。大手チェーンながら、素材の下ごしらえを店内で行い、手作り感のある家庭料理を提供してきた点が特徴です。看板メニューには「鶏の黒酢あん定食」「しまほっけの炭火焼き定食」「豚の生姜焼き定食」などがあります。

大戸屋レストラン、自由が丘南口店

◎ 渋谷駅の構内放送Fiat lator goes down to the basement floorと聞こえるのですが?.

◎ 中国当局によるエヌビディア独禁法違反発表と世界への影響

2025年9月15日、中国国家市場監督管理総局(SAMR)は、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)が独占禁止法に違反しているとする予備調査(暫定調査)の結果を発表しました。対象となったのは、過去のイスラエル半導体設計会社メラノックス買収に伴う条件違反の疑いで、中国市場への安定供給義務を守っていない点が指摘されています。この発表を受け、エヌビディア株は約1.1%下落し、市場には不安が広がりました。

中国当局によるエヌビディア独禁法違反発表と世界への影響は?

②一般患者さん向けの眼科の話題

◎ 小児の近視進行を放置すると将来起こり得る目の病気について

近視は小中学生にとって身近な眼の問題です。最近は近視児童の増加が起きており、それは重大な眼疾患の原因になります。この記事では関連する眼疾患の概要を述べ近視進行予防対策を説明しました。

小児の近視進行を放置すると将来起こり得る病気について

◎ ドライアイのマイボーム腺機能を推定診断する主な方法は何がよいか?マイボーム腺機能を推定診断する主な方法

ドライアイは大きく涙液分泌低下型と、蒸発亢進型に分けられます。後者では涙液層表面の脂肪層の不足(その主な原因がマイボーム戦機能低下)があります。マイボーム腺機能を推定診断する方法を説明します。

マイボーム腺機能を推定診断する主な方法は何がよいか?

◎ 流行性角結膜炎後の瀰漫性表層角膜炎について

流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis, EKC)はアデノウイルスによる強い結膜炎で、感染初期の充血や流涙が落ち着いた後に、角膜に「瀰漫性表層角膜炎(diffuse superficial keratitis)」が残ることがあります。これは、ウイルス自体による直接障害というよりも、免疫反応に起因する角膜上皮下の炎症反応で、視機能や生活の質に影響を及ぼします。

流行性角結膜炎後の瀰漫性表層角膜炎について

◎ SLEでプラニケル(ヒドロキシクロロキン)を使用している20歳女性患者の慢性的な結膜充血の鑑別は?

クロロキン使用者で慢性的な結膜充血を認める場合、以下の原因が考えられます:乾燥性角結膜炎(ドライアイ)、薬剤性影響(ヒドロキシクロロキン)、アレルギー性結膜炎、慢性炎症(SLE関連血管炎など)。ごくまれにSLEそのものによる血管炎や免疫学的炎症が結膜に影響し、慢性的な充血を呈することがあります。

SLEでプラニケル(ヒドロキシクロロキン)を使用されている20歳女性患者の慢性的な結膜充血の鑑別は?

◎ 霰粒腫・麦粒腫(ものもらい)の治療法について

まぶたに小さな腫れや赤みが出る「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」や「麦粒腫(ばくりゅうしゅ、ものもらい)」。見た目や不快感から心配になる方が多い病気ですが、正しいケアをすれば多くは自然に改善します。今回は治療法を分かりやすくまとめました。

霰粒腫・麦粒腫(ものもらい)の治療法について

③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です

◎ AIはなぜ「幻覚(ハルシネーション)」を見るのか? ― OpenAI研究チームの最新報告

私たちが日常的に耳にするようになったChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)は、人間のように自然で流暢な文章を作り出すことができます。しかし、その一方で「事実ではないことをもっともらしく語る」という現象が起こります。これをAIの世界では「幻覚(ハルシネーション)」と呼びます。例えば、存在しない研究論文を堂々と紹介したり、実際には違う情報を自信満々に説明したりすることがあります

AIはなぜ「幻覚」を見るのか? ― OpenAI研究チームの最新報告

◎ 幼児虐待疑い時における超広角眼底撮影OPTOSの活用

乳幼児に起こる「虐待頭部外傷(Abusive Head Trauma: AHT、いわゆる揺さぶられっ子症候群)」は、乳児期の外傷死の最も一般的な原因とされ、死亡率は約30%、重い後遺症を残すのも同程度と報告されています。診断の中心となるのは脳内出血や意識障害に加え、眼底に見られる網膜出血です。これらの所見は法的判断に直結するため、正確で鮮明な記録が必要です。従来はRetCamという接触型カメラが標準でしたが、非接触で広範囲を一度に撮影できるOptos装置の有用性が検討されました。類似の論文2編があります。

幼児虐待疑い例における超広角眼底撮影OPTOSの活用

◎ 医療で使われるAI、AI使用を患者さんに知らせるべきでしょうか?

最近、医療の世界でも人工知能(AI)が当たり前のように使われるようになってきました。たとえば心電図の自動解析、がん治療薬を選ぶためのデータ解析、診察記録をまとめてくれる音声認識ツールなどです。私たち医師にとってはありがたい存在ですが、患者さんにとっては「AIが診療に関わっている」と聞くと少し不安になることもあるようです。実際にアメリカで行われた調査では、成人の約6割が「医師がAIに頼るのは不安だ」と答えています。

医療で使われるAI、患者さんに知らせる必要はあるか?;JAMA(米医学会雑誌)記事紹介

◎ 大気汚染とアルツハイマー病 ― 微粒子状物質PM2.5が脳に与える影響

アルツハイマー病は認知症の代表的な原因疾患であり、世界的に患者数は増加し続けています。これまで遺伝的要因(APOE遺伝子型など)がリスク因子として知られてきましたが、近年は生活環境や社会環境の影響が注目されています。特に大気汚染物質の一つである「微小粒子状物質(PM2.5)」は呼吸器や循環器に悪影響を与えるだけでなく、脳にも直接ダメージを与える可能性が指摘されています。

大気汚染とアルツハイマー病 ― 微粒子状物質PM2.5が脳に与える影響;論文紹介

◎「アメリカで見直し対象となる小児ワクチン:何がかかっているのか」

Nature は世界的に信頼されている学術誌で、研究だけでなく科学政策や医療に関する重要なニュースも取り上げています。今回の記事では、アメリカで子どもに接種されているいくつかのワクチンが、再び議論の俎上にのぼっていることが報じられました。

アメリカで小児ワクチンが見直しの対象;;Nature 掲載された記事紹介

◎ 米国の平均寿命、コロナ前には戻らず ― カリフォルニア州の最新データから見えること

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中の人々の命と健康に大きな影響を与えました。とくに米国では、パンデミックの最中に平均寿命が急激に短くなり、その後回復してきたものの、完全には元に戻っていないことが新しい研究で示されました。今回はその内容を紹介します。

米国の平均寿命、コロナ前には戻らず ― カリフォルニア州の最新データから見えること

◎ 注射薬の闇使用に関連するウイルス感染症について

近年、世界中で約1,480万人が薬物を(闇で)注射しているといわれています。注射薬の使用は、薬そのものの害だけでなく、細菌や真菌による感染、さらにウイルス感染の大きなリスクを伴います。特に「針の使い回し」など非衛生的な行為は、ウイルスの広がりを助長します。今回は、JAMA(米国医学会誌)がまとめた「注射薬と関連するウイルス感染症」について、一般の方向けにわかりやすくご紹介します。

注射薬使用に関連するウイルス感染症について;米国の一般向け注意喚起記事紹介

◎ セマグルチドと眼の合併症 ― 最新研究からわかったこと

近年、糖尿病や肥満の治療薬として「セマグルチド(商品名:オゼンピック、ウゴービなど)」が広く使われるようになっています。体重減少や心血管病の予防に効果があることから注目を集めていますが、一方で「目に悪い影響があるのではないか」との声も聞かれるようになりました。今回は2025年8月にJAMA Ophthalmologyに発表されたシステマティックレビューとメタアナリシスの結果を紹介します。

セマグルチドと眼の合併症 ― 最新研究からわかったこと

◎ 新しい肥満治療薬の最前線 ― ホルモンを標的としたアプローチ;JAMA記事 | 自由が丘 清澤眼科

最も注目されているのが、腸管ホルモン「インクレチン」を利用した薬です。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は食後に分泌され、インスリン分泌促進、胃の動きの抑制、食欲低下をもたらします。GIP(胃抑制ポリペプチド)は骨代謝やインスリン感受性の改善にも関与します。これらを人工的に安定化した薬剤が セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) と チルゼパチド(GIP/GLP-1二重作動薬) です。

新しい肥満治療薬の最前線 ― ホルモンを標的としたアプローチ;JAMA記事

◎ 細胞の論理 ― ルーシー・シャピロ博士の歩みと現代への警鐘:記事紹介

2025年、アメリカの医学界で最も権威ある賞の一つ「ラスカー〜コシュランド特別功績賞」が、スタンフォード大学のルーシー・シャピロ博士に授与されました。博士は55年にわたる研究生活を通じて、細菌という小さな存在の中に「生命の設計図がどのように時間と空間で動き、異なる細胞を生み出すのか」という根本的な問いに挑み続けてきました。

細胞の論理 ― ルーシー・シャピロ博士の歩みと現代への警鐘:記事紹介

④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話 

◎ スマホの使い過ぎで「光過敏脳」が激増デーリー新潮(若倉先生記事抄出)

スマホの使い過ぎで「光過敏脳」が激増しているという若倉正登先生の週刊新潮のインタビュー記事がデイリー新潮に掲載されました。光過敏脳を和安倉先生は眼瞼痙攣と関連付けて考えており、真っ暗なサングラスで一定時間だけ光を遮る時間を持つことも提唱しています。

スマホの使い過ぎで「光過敏脳」が激増:デイリー新潮(若倉)記事抄出採録

◎ ビジュアルスノウ症候群とシエラ・ドム氏の挑戦 ―患者自身が立ち上げた国際的な取り組み―

米国ロサンゼルスの雑誌 VoyageLA は、ビジュアルスノウ・イニシアチブ(Visual Snow Initiative, VSI)の創設者である シエラ・ドム(Sierra Domb)氏 にインタビューを行いました。彼女自身がビジュアルスノウ症候群(Visual Snow Syndrome: VSS)を発症した経験を基盤に、患者支援と研究推進に尽力する姿が紹介されています。本記事では、その要点を分かりやすく整理します。

ビジュアルスノウ症候群とシエラ・ドム氏の挑戦:記事紹介

◎ 明るくないのに眩しい?「光過敏脳」という新しい病気

近年、スマホやパソコンを長時間使うことが当たり前になりました。ところが、こうした生活習慣が原因で、光が脳に過剰な刺激を与える新しい病気「光過敏脳」が問題になっています。これは「眼球使用困難症候群」の一つで、目の検査では異常が見つからないのに「眩しい」「目が痛い」「まぶたが開けられない」などの症状が続きます。

明るくないのに眩しい?「光過敏脳」という新しい病気

◎ 良性発作性頭位変換性めまい(BPPV)とは、眼瞼痙攣との関連は?

BPPVは、頭を動かしたときに突然めまいが起こる病気です。名前の通り「良性(命に関わることは少ない)」「発作性(急に起こる)」「頭位変換性(頭の位置を変えた時に出る)」という特徴があります。中高年の方に多く、特に女性にやや多いとされています。眼瞼痙攣患者さんに問われましたが、一応眼瞼痙攣との関係はなさそうです。

良性発作性頭位変換性めまい(BPPV)とは、眼瞼痙攣と関係はない?

 

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