感染性角膜炎診療ガイドライン:第3版について
清澤のコメント:感染性角膜炎診療ガイドライン:第3版が発表され、その要旨を日本の眼科2月号で鈴木崇先生が紹介していました。その要点は次の表1の7項目に要約されるようです。
診療ガイドラインの定義は、「健康に関する重要な課題について、医療利用者と提供者の意思決定を支援するために、システマティックレビューによりエビデンス総体を評価し、益と害とのバランスを勘案して最適と考えられる推奨を提示する文書」とされる。
表 1 ガイドラインサマリー
CQ、サマリー及び推奨提示、推奨の強さの順です
1、細菌性角膜炎において,診断にとって有用な検査は何か?。細菌性角膜炎の診断には塗抹検鏡と培養検査を強く推奨する。実施することを強く推奨する。
2、単純ヘルペスウイルス角膜炎において,診断にとって有用な検査は何か?。PCR と免疫クロマトグラフィー法は単純ヘルペスウイルス角膜炎の診断に有用である。実施することを弱く推奨する。
3、単純ヘルペスウイルス角膜炎(上皮型)の治療に抗ウイルス薬の全身投与は推奨できるか?。単純ヘルペスウイルス角膜炎(上皮型)に対して,抗ウイルス薬の全身投与を条件付きで推奨する。使用することを弱く推奨する。
4、単純ヘルペスウイルス角膜炎(上皮型)の再発予防のための抗ウイルス薬の投与は推奨できるか?。単純ヘルペスウイルス角膜炎(上皮型)の再発予防のための抗ウイルス薬の全身投与は条件付きで推奨する。使用することを弱く推奨する。
5、細菌性角膜炎の治療にステロイド点眼の併用は推奨できるか?。推奨できるとすればどのような場合か?。細菌性角膜炎の治療にステロイド点眼は併用しないことを提案する。使用しないことを弱く推奨する。
6、真菌性角膜炎の治療にボリコナゾール自家調剤点眼は有用か?。真菌性角膜炎の治療にボリコナゾール自家調剤点眼を条件付きで推奨する。使用することを弱く推奨する。
7、アカントアメーバ角膜炎の治療に自家調剤点眼は推奨できるか?アカントアメーバ角膜炎の治療に自家調剤点眼を推奨する。使用することを強く推奨する。
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