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[No.2819] 信濃の道端に祀られた十王像とは

問:近所の針灸の先生の家の庭には30センチほどの高さで石製の10体の像を祀っています。由来がありそうですが、道祖神などとは違って、子供のころから遠目に見ても恐ろし気な姿と感じておりました。その屋敷の方に伺ってみましたら、元は松本市山辺の旧邸の庭にあったものを市内に転居した折に遷したものだとのこと。これは集落の4隅に祀られる様なものだと教えられました。長野県の道端に祀られている石像の十王像について、そのいわれや現状を説明してください。これは庚申塚や道祖神、馬頭観世音と関係がありますか?

これはネットで見た泉蔵寺 石造十王像で、実物ではありません。

答:信濃の道端に祀られている十王像についてお話ししますね。

十王像の由来とお祭り

十王像は、死後の世界で死者の行いを裁く10人の王を表しています。この信仰は中国から伝わり、日本でも広く受け入れられました。十王詣(じゅうおうもうで)という行事があり、特に1月16日と7月16日に行われます。この日は閻魔大王の縁日で、地獄も休みになるとされ、奉公人たちが休みを取る日でもありました1

十王の名前と役割

十王は以下の10人で構成され、それぞれが死者の裁きを行います2

  1. 秦広王(しんこうおう) – 初七日の裁判を担当。
  2. 初江王(しょこうおう) – 二七日の裁判を担当。
  3. 宋帝王(そうていおう) – 三七日の裁判を担当。
  4. 五官王(ごかんおう) – 四七日の裁判を担当。
  5. 閻魔王(えんまおう) – 五七日の裁判を担当。
  6. 変成王(へんじょうおう) – 六七日の裁判を担当。
  7. 太山王(たいざんおう) – 七七日の裁判を担当。
  8. 平等王(びょうどうおう) – 百日の裁判を担当。
  9. 都市王(としおう) – 一周忌の裁判を担当。
  10. 五道転輪王(ごどうてんりんおう) – 三回忌の裁判を担当。

関連性について

これらの像や塚は、それぞれ異なる信仰や目的を持っていますが、道端に祀られることで地域の人々の生活に深く根付いています。

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