ぶどう膜炎

[No.2966] 脈絡膜の層構造の基礎知識

最近、網膜に関する講演を聞くと必ずというほどに出てくるのが脈絡膜の肥厚する(うっ血する)というパキコロイドという概念です。この脈絡膜が論じられる場面では、眼科医の予備知識として、脈絡膜の基本的解剖を知っている必要があります。専門医試験を受ける、または最近パスした方には常識でしょうけれど、知識が古い開業医には当然の知識とは言い難いものです。そこで今日はその復習をしてみます。

脈絡膜choroidal membrane4つの層について説明してみましょう。それぞれの名前、機能、特徴的な見え方とその意義を述べます。

上脈絡板Suprachoroidal Lamina (Lamina Fusca):

  • 機能脈絡膜強膜の間の移行ゾーンとして機能します。
  • 特徴: コラーゲン繊維、線維芽細胞、メラノサイトを含みます。薬物投与や外科的介入に使用できる潜在的な空間があります。

脈絡膜実質Choroidal Stroma:

  • 機能: 構造的な支持を提供し、血管を収容します。
  • 特徴: 2つのサブレイヤーに分かれています:
    • ハーラー層Haller’s Layer: 大きな血管を含みます。
    • サッター層Sattler’s Layer: 中程度の大きさの血管を含みます。

脈絡膜毛細血管Choriocapillaris:

  • 機能: 外側の網膜に酸素と栄養を供給します。
  • 特徴: 網膜の健康に不可欠な密な毛細血管ネットワークで構成されています。

ブルッフ膜Bruch’s Membrane:

  • 機能: 障壁および支持構造として機能し、網膜と脈絡膜の間で栄養と廃棄物の交換を促進します。
  • 特徴: 薄く、多層構造で、脈絡膜と網膜色素上皮を分離します。

これらの層は、網膜の健康と機能を維持し、視覚において重要な役割を果たしています。

上の内容を説明しているのが下のビデオです。(インド人特有なアクセントが特徴的ですが、内容は十分です。)

主なトピック:

  1. 脈絡膜の層: 脈絡膜の複雑さを解明し、上脈絡膜板、脈絡膜間質、毛細血管層、ブルッフ膜について探求します。
  2. 臨床のヒント: 上脈絡膜腔、脈絡膜の薄さ、厚脈絡膜の臨床的重要性など、医学の専門家や学生が知っておくべき重要な知識を紹介します。
  3. 上脈絡膜腔: 漏出や上脈絡膜出血における意義を理解します。
  4. 上脈絡膜板: その詳細を解説します。
  5. ヘラー層、サトラー層、毛細血管層: 各層の機能と臨床的な関連性を深く理解します。
  6. ブルッフ膜: 5層構造のブルッフ膜を探ります。
  7. ブドウ膜の機能: 眼の生理におけるブドウ膜の重要な役割を理解します。

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