ビジョンケア研究会での講演:「進化が続くソフトコンタクトレンズの現況」
ジョンソン・エンド・ジョンソン社主催のビジョンケア研究会において、湖崎眼科の前田直之先生が「真価が続くソフトコンタクトレンズの現況」というテーマで講演されました。
講演の最終メッセージとして、前田先生は次のように述べられました:
「ソフトコンタクトレンズは素材や形状などが日々改良されています。そのため、進化の情報を知らないまま、ネットで同じ製品を購入し続けるのは問題があります。」
コンタクトレンズが眼に及ぼす影響と障害
コンタクトレンズ装用による眼への影響は以下の要因によって引き起こされます:
- 低ガス透過性
- 涙液の不安定化
- 機械的刺激
- レンズ付着物
- ケア不良
これらの要因が急性および慢性の障害をもたらします。
ソフトコンタクトレンズの進化
ソフトコンタクトレンズは以下の4つの領域で順に進化を遂げました:
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グループⅣ素材
グループⅣ素材は、イオン性と非イオン性、含水率の高低で分類されます。高含水化によるガス透過性の向上や、ディスポーザブル化が成功しています。 -
シリコーンハイドロゲル素材
シリコーンハイドロゲル素材の進化は以下のように進んでいます:発売年度によって2007年(2週交換)アキュビューアドバンスとアキビューオアシス、2010ワンデーアキビュートゥルーアイ、2018ワンデーアキュビューオアシス、2024ワンデーアキュビューオアシスマックスが新たに市場に出ています。酸素透過性(Dk/t)や酸素分圧の向上を目指して、2007年から2024年にかけて多くの新製品が発売されています。 -
世界における市場占有率(現状):
- ハードコンタクトレンズ:10%(変化なし)
- 一日交換ハイドロゲル:10%(変化なし)
- 一日交換シリコーンハイドロゲル:30%(急増中)
- 頻回・定期交換ハイドロゲル:5%(急減中)
- 頻回・定期交換シリコーンハイドロゲル:30%(増加中)
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付加価値レンズ
乱視用レンズや遠近両用レンズなどが該当します。日本とアメリカの販売比率では、球面レンズが日本で70%、アメリカで36%と大きく異なります。ジョンソン・エンド・ジョンソン社の遠近両用レンズは中心が近用設計になっています。 -
コンタクトレンズ装用時の不快感(CLD: Contact Lens Discomfort)
装用者の30~50%が訴える不快感には、間歇的な異物感やドライアイ、マイボーム腺機能不全などが含まれます。これらの問題に対応するレンズの改良も進められています。
結論
前田先生の講演のメッセージは、「ソフトコンタクトレンズは進化を続けているため、使用者は最新の情報を知り、適切な製品を選ぶことが重要であす」という点に集約されます。コンタクトレンズ装用される方は、眼科医の指導を受けながら安全で快適な装用をお心掛けください。
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