コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.3203] マイボーム腺機能不全(MGD)について

マイボーム腺機能不全(MGD)について

中高年のコンタクトレンズ使用者、とくに女性に多く見られるマイボーム腺機能不全(MGD)は、涙の油層を分泌するマイボーム腺が正常に機能しなくなる状態です。この疾患はドライアイの主要な原因の一つとされています。マイボーム腺の分泌不全により、涙が蒸発しやすくなり、目の不快感や視力低下を引き起こします。

症状:MGDの主な症状には以下のようなものがあります:

目の乾燥感:特に夕方やエアコンの効いた環境で強く感じる。

目のゴロゴロ感:異物感や軽い痛みを伴う場合がある。

視力の不安定:涙液層の不安定化のために、一時的に視界がぼやけることがある。

目の疲れ:読書やパソコン作業後に症状が悪化しやすい。

涙が多くなる:目の表面が乾燥すると防御反応として涙が増える場合がある。

瞼の縁が赤くなる:慢性的な炎症がある場合、瞼の縁が腫れることもあります。

診断検査:MGDの診断には以下のような方法があります:

問診:症状の頻度や日常生活での影響について詳しく伺います。

瞼縁の観察:拡大鏡でマイボーム腺の詰まりや炎症の有無を確認します。

マイボグラフィー:専用機器でマイボーム腺の形状や消失具合を撮影し、異常を評価します。(清澤は持っていません。)

涙液分泌量検査(シルマーテスト):涙の分泌量を調べる検査。

涙液の蒸発時間測定(BUT検査):涙の安定性を確認します。

対応策

MGDの治療には、日常生活でのケアと医療処置の両方が重要です。

  1. 日常生活でのケア:温罨法(温める):ホットアイマスクや蒸しタオルを使い、瞼を510分温めることで、詰まったマイボーム腺を開きやすくします。

瞼の清潔を保つ:専用の洗浄剤で瞼縁を優しく拭き取ることで、皮脂や汚れを取り除きます。

コンタクトレンズの使用見直し:装用時間を短くする、または一時的に使用を控えることが効果的です。

  1. 医療処置 

人工涙液の使用:涙液の補充により症状を軽減します。

抗炎症薬の点眼:瞼縁炎がある場合はステロイドや抗菌薬を処方することがあります。

リピッド系点眼薬:油層の補充を目的とした点眼薬が有効です。

マイボーム腺圧迫法:眼科医が専用器具を使ってマイボーム腺の詰まりを取り除きます。

光線治療(IPL治療):マイボーム腺の炎症改善や分泌促進を目指した治療法です。

予防のために

日頃から目を温めたり清潔に保つ習慣を取り入れることでMGDの悪化を防ぐことができます。また、定期的な眼科受診で早期発見と適切な治療を行うことが大切です。

MGDは慢性疾患ですが、適切な対応をすることで症状をコントロールできます。症状が気になる場合は、早めに眼科を受診しましょう。

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