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就学前の幼児に見られる逆まつげ(睫毛内反や眼瞼内反)について
1. 逆まつげとは
逆まつげ(trichiasis)は、まつげが本来の方向ではなく、眼球(角膜や結膜)側に向かって生えている状態を指します。このため、まつげが目に接触し、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
2. 症状と所見
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症状
- 目をこする仕草が増える
- 涙が出やすい
- 目が赤くなる(結膜炎のような症状)
- 光をまぶしがる(羞明)
- 目の違和感や痛みを訴える(年齢により伝えられないこともあります)
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所見
- まつげが眼球に接触しているのが見える
- 角膜に細かい傷(角膜上皮欠損)がある場合がある
- 結膜が赤く充血していることがある
3. 原因
幼児においては、生理的な理由で逆まつげが見られることがあります。
- 成長過程:まぶたの構造が未発達で、皮膚のたるみやまつげの向きが不安定。
- 遺伝:家族にも同じ症状がある場合があります。
4. 対応と治療
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軽度の場合
- 逆まつげが自然に改善することも多いので、こまめな観察を続けます。
- 目をこすらないように教えたり、保湿点眼薬(人工涙液)を使用して症状を和らげます。
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症状が強い場合
- 点眼薬:炎症や痛みを和らげるための抗炎症点眼薬を処方することがあります。
- まつげの処置:接触するまつげを一時的に抜毛することがあります。
- 手術的対応(稀):症状が持続し、角膜に傷がついて視力に影響を与える場合には、まぶたの向きを矯正する手術を検討することもあります。参考ページ⇒https://sakuragicho-eye.com/medical/upside_down_eyelashes/
5. 親御さんへのアドバイス
- 注意深く観察:涙が多い、目を頻繁にこするなどの症状があれば、早めに眼科を受診してください。
- 受診の目安:逆まつげがある場合、定期的に眼科で角膜の状態をチェックすることをお勧めします。
- 安心感を提供:多くの場合、逆まつげは成長とともに自然に改善します。過度に心配しすぎないことも大切です。
6. よくある質問への対応
- 自然に治りますか?
→ 多くの場合、成長するにつれて自然に治ります。 - 視力に影響しますか?
→ 強い症状が長期間放置されると角膜に傷がつき、視力に影響を与える可能性があるため、定期的な受診をお勧めします。 - 手術は必要ですか?
→ 大半の幼児では不要ですが、症状が重い場合には眼科医と相談のうえで手術を検討します。
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