コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.3230] コンタクトレンズの「インターバルユース(Interval Use)」について:患者さん向け解説

コンタクトレンズの「インターバルユース(Interval Use)」について

代診の先生のカルテに、患者さんにコンタクトレンズの「インターバルユース(Interval Use)」を勧めたとの記載がありました。この、コンタクトレンズの「インターバルユース(Interval Use)」について説明します。

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インターバルユースとは?:インターバルユースとは、コンタクトレンズを連続して装用するのではなく、適切な休息期間を設けながら使用する方法を指します。これは目の健康を保ちつつ、安全にコンタクトレンズを使うために重要な考え方として推奨されています。

なぜインターバルユースが必要なのか?

  1. 目に酸素を供給するため角膜は直接空気中から酸素を取り込む必要があります。コンタクトレンズを長時間装用すると酸素の供給が制限され、角膜に負担がかかります。これが角膜低酸素症や血管新生(角膜に新しい血管が生じる現象)を引き起こす原因となります。
  2. ドライアイの予防: 長時間の装用は涙液の量や質を変化させ、ドライアイのリスクを高めます。一日の装用中にインターバルを設けることで、目の乾燥を防ぐことができます。
  3. 角膜の回復時間を確保するため:コンタクトレンズの装用による微小なダメージや汚れの蓄積を回復するためには、裸眼で眼を開いて過ごす時間を持つことが必要です。
  4. 感染リスクの軽減: 長時間装用や連続装用は、角膜炎や眼感染症のリスクを高めます。適切な休息を取ることで、このリスクを下げることができます。

インターバルユースの具体的な方法

  1. 1日の装用許容時間を守る

ソフトコンタクトレンズ1812時間程度が目安

ハードコンタクトレンズRGP):個人差がありますが、110時間程度が適切とされます。

  1. 裸眼で過ごす時間を確保する 家に帰ったらなるべく早くコンタクトレンズを外し、夕方以降や就寝前は裸眼で過ごすよう心がけましょう。
  2. 休日には裸眼(眼鏡)で過ごす日を作る: 週に12日、コンタクトレンズを装用しない「裸眼の日」を作ることをおすすめします。特に目に負担がかかりやすい方には重要です。
  3. レンズの種類によって休息を考慮する;終日装用レンズ(DW:夜になったら外すタイプ):毎日使用後は必ず取り外します。連続装用レンズ(EW):連続装用後は、一定期間の装用中止が必要です。

注意点:不快感や充血がある場合は、すぐにコンタクトレンズを外して裸眼で過ごし、必要に応じて眼科を受診してください。コンタクトレンズ使用者は定期検査を受け、装用スケジュールや目の状態を確認することが重要です。

個々の目の状態による調整が必要なため、眼科医と相談して適切な装用スケジュールを決めることをおすすめします。

患者さんへのメッセージ:「インターバルユース」を意識することで、目を健康に保ちながら快適にコンタクトレンズを使用することができます。目の負担を最小限に抑えるために、適切な休息期間を設けることを忘れずに行いましょう。

参考文献

  1. 日本コンタクトレンズ学会:「コンタクトレンズ装用ガイドライン」 [公式サイト](https://www.jcl.org)

 2.ブレナンNA。「フラックスを超えて:コンタクトレンズ装用中の角膜酸素化の指標としての角膜総酸素消費量」 検眼と視覚科学。2005.

  1. Nichols Jj et al. “The TFOS International Workshop on Contact Lens Discomfort.” Investigative Ophthalmology & Visual Science*.2013.
  2. 参天製薬:「目とコンタクトレンズの基礎知識」 [公式ページ](https://www.santen.co.jp)

これらの文献を基に、患者さんの安全で快適なコンタクトレンズ装用をサポートします。

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