コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.2362] 累進レンズとは?

豊福祐史さん(株式会社とらや眼鏡店)が老眼に処方される累進眼鏡について⇒コラムを書いて居ます。彼のコラムは私も毎回興味深く読ませていただいて居ます。

このコラムの概要は;累進レンズの必要性:老眼は年齢とともに進行するが、眼の度数によって個人差がある。累進レンズは近くと遠くの見え方を調整するレンズである。累進レンズの提案基準:年齢や近業作業時の見え方、累進レンズの特性を理解し、眼球運動で焦点を合わせられるかどうかなどを考慮する。累進レンズの使い始める時期:早い人では30歳半くらいから考えても良いが、費用対効果や違和感なども考慮する必要がある。アシストレンズという中間的なレンズもある。:という事です。

◎このコラムの発言に異存はないのですが、そもそも眼科医として老視(老眼が俗称)に対する眼鏡を考える場合、①まず遠方視を十分に行える近視(凹レンズ)、遠視(凸レンズ)、そして乱視(軸によって度数が異なる)を合せた眼鏡度数を決める必要があります。②次に、加齢に伴う調節力の低下を考えて、近見(眼から文字までの距離が30ないし40センチ程度)に必要な追加の凸レンズの度数を考えます。左右の加入度数は普通は同じにします。③その度数を遠見用の度数に加えたものが近見用の眼鏡度数となります。④さて、遠近両用の眼鏡というものは遠見用度数をレンズの上半分に、近見用の度数を下半分に入れて眼鏡を眼鏡店に作ってもらうとして、眼科医は眼鏡の処方箋を記載します。本人の残存調節力の量、体の大きさ、主に読む文字の大きさによって近見用の加入度数は異なったものになります。ですから、遠近両用眼鏡の処方箋には左右各眼の遠見用の眼鏡度数を記載し、それらに対する近見用の追加加入度数(ふつうは左右同量)と瞳孔間距離(65ミリなど)を記載したものとなります。

 眼科医は患者さんに老眼鏡を購入させる場合には、眼科医の記載した眼鏡処方箋が必要と主張します。一方多くの市民は眼鏡店に眼鏡を買いに直接出かけているようですし、また多くの眼鏡店はそれを受け入れています。最近では眼科医会と眼鏡店組織が歩み寄ろうという流れも出てきている様ですが、この両者の競合は古くから多くの議論を呼んで来た点でもありました。

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