清澤のコメント：ボクシングの指導中に眼にパンチを受け失明したという高校の先生のお話です。眼球打撲で視力が下ったとすると、網膜剥離（特に鋸状縁の巨大裂孔例など）、緑内障（隅角乖離や虹彩離断による場合）、外傷性視神経症（視神経管骨折）なども考えられます。どのような経緯で詐病が疑われたのかは不詳ですが、外傷では受傷後しばらく後に増悪することも多いです。
ーーーー記事の概要ーーーー
- 不正受給の疑いで懲戒免職された元教諭が訴訟：長崎県立小浜高元教諭の男性（６２）は、ボクシング部の指導中に負傷したとして公務災害申請をし、約１２３万円の補償を受けたが、県教育委員会に不正受給とみなされて懲戒免職処分となった。男性は処分の取り消しと慰謝料を求めて県を訴えた。
- １審判決は原告の主張を認める：長崎地裁は、男性が負傷したのは公務災害であると判断し、懲戒処分を取り消した。地裁は、男性の負傷は日常生活ではまれな出来事であり、高校以外の場所で指導したことを示す事情はないとした。
- 控訴審判決も１審判決を支持：福岡高裁は、男性の論理に矛盾がないとして、１審判決を支持した。高裁は、ボクシングの練習以外で本件のような負傷をすることは極めてまれな出来事であり、公務災害を認めるべきだとした。
- 慰謝料の請求は棄却：男性は、県教委が処分をしたことによって名誉を傷つけられたとして、慰謝料を求めたが、１審・控訴審ともに棄却された。裁判所は、県教委が処分をしたことに故意過失があったとは評価できないとした。
-
コメント