雛祭りと眼の健康:伝統と現代の視点
3月3日は「雛祭り」、またの名を「桃の節句」と呼ばれ、女の子の健やかな成長を願う日本の伝統行事です。華やかな雛人形が飾られ、ちらし寿司やひなあられが楽しまれる日ですが、そもそもこの習慣はどのようにして生まれたのでしょうか。(写真は2月24日の旧南砂町清澤眼科医院同窓会@自由が丘の熊野神社です。)
雛祭りの歴史
雛祭りの起源は、平安時代にさかのぼります。当時の貴族の子女の間では「ひいな遊び」と呼ばれる人形遊びがありました。また、古代中国の「上巳(じょうし)の節句」の影響を受け、水に流して厄を払う風習がありました。これが日本に伝わると、紙の人形(ひとがた)を川や海に流して厄を祓う「流し雛」となり、平安貴族の間では身を清める行事の一環として定着しました。
江戸時代になると、雛人形を飾る文化が広まり、庶民の間でも女の子の成長を祝う年中行事として定着しました。松本市では平板な押絵雛も作られ、犀川の舟運で長野に出荷されていました。時代とともに人形は豪華になり、現在のような段飾りの雛人形が主流になりました。
現代の雛祭り
現代の雛祭りでは、伝統的な雛人形を飾る家庭もあれば、コンパクトな「親王飾り」(内裏雛のみ)や、インテリアとして楽しめるモダンな雛飾りを選ぶ家庭も増えています。また、核家族化や住宅事情の変化により、大きな七段飾りの雛人形を飾る家庭は減少傾向にあります。一方、祖父母が孫のために雛人形を贈る文化は今も根強く、家族で雛祭りを祝う風習は続いています。
また、地域によっては「流し雛」の伝統が今も残っており、京都の下鴨神社や鳥取県の倉吉市では、人形を川に流す行事が続けられています。
雛祭りと目の健康
雛祭りの季節は、春の訪れとともに、花粉症の症状が強くなる時期でもあります。花粉症は目のかゆみや充血、涙目を引き起こし、ひどい場合は視界がかすむこともあります。特に、子どもは目をこする癖があり、結膜炎を悪化させることがあります。
子どもの目を守るための対策
- 外出時のメガネやゴーグルの着用:花粉の侵入を防ぎます。
- 帰宅後の洗顔・洗眼:目や顔についた花粉を洗い流すことで症状を軽減できます。
- 目をこすらない習慣をつける:こすると角膜が傷つく恐れがあります。
- 抗アレルギー点眼薬の使用:症状がひどい場合は、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。また、今年は一日1回の塗布で済むアレジオン眼瞼クリームも発売されていて、特にコンタクトレンズ使用者や点眼が不得手な方々にも有効と思われます。(2月28日金曜の日刊ゲンダイに関連記事掲載予定です。)
また、雛祭りの飾りつけや料理の準備をするときには、細かい作業が多くなりがちです。暗い場所での作業や、長時間細かいものを見ることが続くと、眼精疲労を引き起こしやすくなります。明るい場所で適度に休憩を入れながら作業することが、目の健康を守るポイントです。
まとめ
雛祭りは、長い歴史の中で変化しながらも、日本の春の風物詩として大切にされてきました。現代では、ライフスタイルの変化に合わせた形で受け継がれています。この季節は花粉症など目のトラブルが起こりやすい時期でもあるため、目を守る習慣を身につけることが大切です。家族で楽しく雛祭りを祝いながら、目の健康にも気を配りましょう。
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