フランス大使館での特別な一夜
昨晩、大使公邸で開催されたフランス留学生の同窓会(カクテルパーティー)に参加しました。この場所は、1986年にフランス留学のため初めてビザを受け取りに訪れた思い出深い大使館、そして2009年には建て替え工事に伴いノーマンズランド(紛争中の境界地帯、中立地帯)としてアート展示の場に数日だけ公開された際に訪れた旧大使館の建物であるという特別な縁を持つ場所でもあります。今回の招待は、過去と現在が交わる特別に感慨深い経験となりました。
過去の思い出に浸りつつ、会場での交流を楽しむ予定でしたが、知る人もおらず、立ち尽くすだけの時間が過ぎました。それでも会の中で、北里柴三郎博士の5代孫娘という方が留学生を代表して述べた流暢なフランス語と日本語での感謝の辞が印象的で、その堂々たるスピーチは心に響きました(上左)。
また、40年の時を経て、すでに故人となった留学時の先輩や恩師への記憶に思いを馳せながら、この場所が持つ特別な雰囲気に浸りました。この大使公邸の広大な庭園には、長州藩毛利家の屋敷跡としての歴史を感じさせる大きな石灯篭が佇み、芝生の柔らかな感触も非常に心地よいものでした。その趣ある空間が新しい形で歴史と共に続いていることを改めて実感しました。
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