ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(9月15日)で83号。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(8月12日で)845人になりました。自由が丘駅の夕景色です。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘でランチ ダロワイヨ自由が丘店 ― 駅前で楽しむ老舗フランス菓子のサロン・ド・テ
自由が丘駅正面口の広場を出ると、目の前にはいくつかのカフェが並んでいます。私自身、これまでダロワイヨはテイクアウト専門のケーキ屋さんだと思い込んでいました。しかし、先日通りがかった際に路面の案内板に「2階30席」と書かれているのを見つけ、サロン・ド・テが併設されていることを知りました。そして実際にランチを試してみました。話題の生ドーナツ店「アイムドーナツ?」の隣です。
◎ 目黒区・世田谷区を襲ったゲリラ豪雨 医療現場から見た影響と市民への注意
本日午後、東京都内では激しいゲリラ豪雨が発生しました。特に当医院がある目黒区と隣接する世田谷区では短時間に猛烈な雨が降り、生活や交通に大きな影響が出ました。午前中は通常どおり診療が行われましたが、昼過ぎから空模様が急変し、雷とともに強い雨が降り始めると、患者さんの来院はほとんど途絶えました。
◎ コロナ発生から5年:医療の記憶と、いま振り返る9月
新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の世界的拡大から5年が経ちました。最初期に異変に気づき、SNSで同僚に警鐘を鳴らした中国・武漢の眼科医、李文亮(Li Wenliang)医師は、当局の圧力に晒されながらも警告を続け、悲しくも感染し他界しました。その行動は、医療者の良心と情報公開の重要性を今も象徴しています。その後、感染は断続的に波を繰り返し、国境を越える人の移動は停止、社会生活と経済活動も大きく停滞しました。日本では2020年4月7日に最初の緊急事態宣言が発出されました。しかし医療現場は elective(予定)医療の制限、防護具の慢性的な不足、医療スタッフの感染や離職による疲弊に直面しました。
◎ ビル・ゲイツ氏の財団活動と「多くを与えられた者は多くを返す責任」
「ビル・ゲイツ氏がTBSの番組に出演し、彼の生活信条を30人ほどの大学生の前で語っていた」という話を聞きました。そこには、長年世界の第一線で活躍してきた人物が、これまでの歩みを振り返りつつ、未来に向けて何を大切にしているかが語られていました。
◎ 高円寺の庭に咲く紫の花ブーゲンビリアと目の健康
この花を見ると、私は南太平洋の大戦の激戦地「ブーゲンビル島」を思い出します。第二次世界大戦中、この島では日米豪連合軍による激戦が繰り広げられました。日本軍は補給を断たれながらも長期間戦い続け、約5万人が戦死しました。花の名も島の名も、昔のフランス人航海家からつけられたものだったそうです。
◎ AIの社会的影響:第一波と第二波でどう変わったのか
此のブログのブログの作成にも活躍しているChat GPT5ですが、最初のきらきら感からは少し違う顔を見せ始めたようです。Generative AI(生成系AI)は、2020年頃から爆発的に注目を浴びてきました。ChatGPTの登場により、AIは一気に私たちの生活や社会に浸透しました。本記事では、そうした「第一波」と、2025年夏に登場したGPT‑5が象徴する「第二波」のそれぞれの社会的影響とその違いを整理していきます。
◎ ドントテルミー新井氏の履歴を聞き驚きました。
日本と世界の裏面史を説明する動画である「ドントテルミー」の新井氏は、この動画で九州大農学部卒、東大大学院を中退し、友人とユーチューブ制作の仕事を始めたという稀有な経歴をお持ちでした。この他社の動画で初めて語っています。
◎ 世論調査は“設計”でいかようにもなるものなのか?
②一般患者さん向けの眼科の話題
◎ 新型コロナが休眠がん細胞を目覚めさせる 米国医師会雑誌で警告(日刊ゲンダイ掲載の清澤インタビュー―記事)です
コロナ感染症は癌が緩解していう患者さんの休眠中の癌を目覚めさせて、癌再発に至らせることがあります。キーワドは炎症に関連するサイトカイン(炎症制御物質)のインターロイキン-6(シックス)です。
◎ 日米におけるオルソケラトロジーの現況は?
最近、米国でオルソケラトロジー(夜間装用で角膜の形を穏やかに変え、日中は裸眼で過ごす方法)を始めて、現在も良好な裸眼視力を維持している患者さん姉妹を診察しました。米国ではこの治療を選ぶ方がじわじわ増えていると話しておいででした。では日米での実際の数字はどうでしょうか。
◎ 左右の瞳に差がある、Adie(アディー)の緊張性瞳孔について
目の瞳孔(ひとみの大きさ)は、自律神経の働きによって明るさに応じて開いたり閉じたりしています。ところが、縮瞳に関連するこの仕組みに異常が生じて、片方の瞳孔が大きく開いたまま縮みにくくなることがあります。これを Adie(アイディー)の緊張性瞳孔 と呼びます。
◎ アレルギー性結膜炎で良く使われる点眼液
アレジオン、パタノール、ザジテン、アレギサールを比較して説明してみましょう
◎ 甲状腺機能低下症について ― 最新のレビューから
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが足りなくなることで起こる病気です。世界的には0.3〜12%ほどの人にみられ、特に女性や高齢者に多いとされています。症状はゆっくり進むことが多いため、気づかれないまま放置されると、心不全や「粘液水腫性昏睡」という重い状態に進んでしまうこともあります。
◎ 慢性関節リウマチと眼の症状について
慢性関節リウマチと眼の症状には、1,乾燥性角結炎、2,強膜炎・上強膜炎、3. 角膜潰瘍・周辺部角膜炎、4. 網膜やぶどう膜の炎症、5. 内科的治療に伴う眼合併症などが有ります。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎ COVID-19・インフルエンザと「休眠がん細胞」―最新研究が示す新たなリスク
JAMA Medical News によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やインフルエンザなどの呼吸器ウイルス感染が、インターロイキンを介して体内で眠っていた「休眠がん細胞」を再び活性化し、転移や再発を引き起こす可能性があるという記事です。(9月11日日刊ゲンダイに私のコメントした関連記事も収載されました)
◎ 医学における査読とAIの役割
JAMA(Journal of the American Medical Association)に2025年8月28日付で掲載された最新の編集言「査読における人工知能(AI)」では、論文査読にもAIが活用されるが、その最終判断は査読者が追うとしています。
◎ セマグルチドと目の健康:証拠は多いのに、結論はまだ不明瞭
(日本での商品名:オゼンピック®〈週1回皮下注〉/リベルサス®〈1日1回内服〉)糖尿病や肥満の治療で注目されるセマグルチド(GLP-1受容体作動薬)。体重減少や血糖コントロールに加え、心血管・腎臓を守る効果も示され、使用は急速に広がっています。一方で「目への副作用は?」という不安も聞かれます。JAMA Ophthalmology(2025年8月14日オンライン)に掲載された論説は、最新の総説を踏まえつつ、「現時点のエビデンスは量のわりに明快さに欠ける」と指摘しました。
◎ ワクチンの利点とリスク ― DANFLU-2試験が示すもの
HDワクチンを約762人接種して初めて1件の心肺疾患による入院を防げるという規模感でした。効果がゼロではないにせよ「違いが違いを生むほど大きいか」と問われれば、慎重な評価が必要になります。
④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話
◎ 片側顔面痙攣と生活習慣
片側顔面痙攣は、片側の顔の筋肉がピクピクと自分の意思に関係なく動いてしまう病気です。原因の多くは、小脳へ向かう血管が顔面神経を圧迫してしまうことにあります。この圧迫を取り除く「微小血管減圧術」という手術もありますが、ふつうは ボツリヌス毒素(ボトックス)の定期的な注射が標準的な治療法として行われています。ただし、治療を受けながら日常生活を送る中で、痙攣を強めてしまう生活習慣もあります。
◎ ADHD治療薬(覚醒剤)と精神病・双極性障害の発生リスクについて
私の外来では、かつて向精神薬や安定剤に関連する眼瞼痙攣を多く見ましたが、最近は少なくなっています。精神科領域ではADHDの薬物治療が広く行われていますが、この研究は「有効である一方、決して副作用がゼロではない」という現実を示しています。
◎ビジュアルスノウ公式サイトが多言語化されました ― 日本語は未対応ですが希望が持てます
ビジュアルスノウ・イニシアティブ(VSI)の公式ウェブサイトが英語、フランス語、スペイン語、中国語の4か国語に対応しました。これは世界的に大きな前進であり、より多くの人々に正確で信頼できる情報が届くことになります。
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