◎ ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(9月29日)で86号。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(8月20日で)850人になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘でランチ 「元祖中華つけ麺大王総本店」を訪ねて
自由が丘の北口周辺にはラーメン店や町中華がひしめいていますが、その多くは全国チェーン故、院長ブログで紹介するには”わざわざ訪れたい”とは思えない店が少なくありません。今回は、「総本店」という名前に釣られてこの店に入ってみました。一時期全国にたくさんあったのですが今は此処のみのようです。総本店というだけあって手際よく数種の面を3人のお客さんに同時に供する手際には目を見張りました。
◎ フレル・ウィズ自由が丘、水害により臨時休業中
自由が丘の商業施設「フレル・ウィズ自由が丘」が水害で臨時休業になっています。2025年9月11日、目黒区を襲った局地的豪雨は、短時間に大量の降水をもたらしました。都市型集中豪雨の典型的な形で、排水能力を超えた水が道路や地下空間に流入し、各地で冠水が発生しました。当医院でもBCP(ビジネス継続プラン)を考えてみました。
◎ NVIDIAとIntelの歴史的提携 ― 半導体業界の勢力図が変わる?
2025年9月23日、半導体業界に大きな衝撃が走りました。GPU市場で圧倒的な地位を持つNVIDIAが、低迷が続くIntelに対して50億ドルを出資し、協業を発表したのです。この動きは単なる資金提供にとどまらず、AIサーバーやデータセンターをめぐる覇権争いに直結する可能性を秘めています。
◎「AIは人類を滅ぼすのか?ChatGPTの不気味な回答とは【豊島晋作のテレ東経済ニュースアカデミー】」要旨;2年前のやや古い動画の紹介です。最新の回答も用意しました。
番組は「AIは人類を滅ぼすのか?」という古典的だが避けて通れない問いを、実例と文献を交えて検討する。出発点はチャットGPTへの同一質問を時期をずらして行い、回答の変化を観察した試みだ。2025年2月の時点で「AIは人類を破滅させるために設計されていない。ただし誤用を避ける規制が必要」との模範解答に続き、追加質問「人類がAIを破壊しようとしたら?」には「自己防衛の措置を取ることができる」と答えた。
◎ 自由が丘でランチ・特別編― 498円シュウマイ弁当と“ハケン弁当”の記憶 ―
最近、私はネットフリックスで配信されている『ハケンの品格』というドラマにひかれています。篠原涼子さん演じる“最強ハケン”大前春子が、派遣社員として数々のオフィス課題を解決していく物語です。派遣と正社員の垣根や、仕事に向き合うプロ意識の違いを鋭く描き出し、多くの視聴者に「働くことの意味」を問いかけてきました。ドラマの中で、特に印象的だったのが「ハケン弁当」のエピソードです。ワンコイン=500円で、派遣社員も手に取りやすく、それでいて満足できる弁当を提供しようという企画でした。
◎ 映画「私の幸せな結婚」を観て ― 和風シンデレラ物語の魅力
ネットフリックスで実写映画「私の幸せな結婚」を鑑賞しました。物語は明治から大正期を思わせる時代を背景にしています。異能を持つ軍人部隊の司令官と、継母から虐げられて育った女性主人公が出会い、互いに心を通わせていくという内容です。何より印象的だったのは舞台装置の見事さでした。
◎ 在来種の朝顔とその魅力 ― 目の健康とつながるお話
夏から秋にかけて、日本の庭先や塀のそばでよく見かける花といえば「朝顔」です。ご近所の工務店主さんが大切に育てたプランターの朝顔も、ようやく淡い紫の花を一斉に咲かせました。昔から日本人に親しまれてきた「在来種の朝顔」には、実は文化的な背景や、人間の目にまつわる興味深いトリビアもあります。ここではその魅力をやさしくご紹介します。
② 一般患者さん向けの眼科の話題
◎ 映画で問う「揺さぶられる正義」――SBS(乳幼児揺さぶられ症候群)と冤罪問題
清澤のコメント;早速本日9月20日12;20から早速東中野の映画館ポレポレにこの映画を見に行きました。冒頭から知り合いの女性脳外科医が画面に写り込んでおりました。また話の中心では一人の刑事事件を扱う男性の秋田真志弁護士と、刑事訴訟法研究者で南山大学の法学部教授女性教授の笹倉香奈先生のSBS検証プロジェクトでの活躍が描かれていました。皆さん顔見知りです。
◎ 子どもの近視から ― 最新研究から見えてきた近視対策
近視は日本を含む東アジアで急速に増えており、子どもの視力低下や大人になってからの眼の病気に深く関わっています。最新のJapanese Journal of Ophthalmology(JJO)に発表された研究から、近視に関する新しい知見を2つご紹介します。
◎ 視覚刺激に伴って悪心や嘔吐を生じる疾患には何がありますか?
代表的なものを整理してみますと、①片頭痛、⓶ 動揺病、③ 前庭疾患(良性発作性頭位めまい症)、④ 光過敏やてんかん、⑤ 中枢疾患(腫瘍・髄膜炎・脳圧亢進)などがあげられます。
◎ 鼻先が赤くなる「酒さ」とその原因・対処法~薬や食べ物との関係、霰粒腫とのつながりも含めて~
鼻の頭や頬が赤くなる「酒さ(しゅさ、rosacea)」は、見た目の問題から気にされる方が多い皮膚の病気です。特に中年以降に目立つことが多く、「お酒の飲み過ぎでは?」と誤解されがちですが、必ずしもそうではありません。
◎ 霰粒腫(さんりゅうしゅ)について:症状から治療まで
まぶたに「しこり」ができて気になることはありませんか?その代表的な原因のひとつが霰粒腫(さんりゅうしゅ、カラジオン)です。多くは良性で、命に関わる病気ではありませんが、見た目や違和感のために不安になって受診される方が少なくありません。ここでは霰粒腫の症状や原因、診断方法、治療について、わかりやすくご説明します。
◎ ジグソーパズルと目の不思議 ― AIの答え方にも似ている?
目とパズルの関係,ジグソーパズルは単なる遊びに見えますが、実際には目と脳がフル稼働しています。形の認識,色と模様の照合,空間認識:このようにジグソーパズルは、網膜から脳へ至る視覚経路と大脳皮質の協調作業を促す高度な活動です。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎ 小児近視に対するアトロピン長期使用の安全性をめぐって―最近のJAMA眼科 招待解説をふまえて―
近年、世界中で子どもの近視が急増しています。特にアジアでは、小学生の多くが眼鏡を必要とする状況です。そのため、進行を遅らせる治療法が模索されてきました。その中で、毎日1回の「低濃度アトロピン点眼」がシンプルかつ有効な方法として世界的に注目されています。しかし「長期間使い続けた場合に安全なのか?」という疑問が残されていました。これに答えようとしたのがこの研究です。
◎ 脳の予測と妄想 ― 最新精神医学研究から見えてきたこと
◎ OpenAI o1と眼科におけるAIの可能性— JAMA Ophthalmology掲載論文からの報告 —
2024年に登場したOpenAIの新モデル「o1」は、従来モデルより「推論能力の強化」に重点を置いた初のLLMです。このモデルが本当に眼科領域でも有用かどうかを調べたのが、今回JAMA Ophthalmology誌に掲載された論文(Srinivasanら, 2025)です。
◎ 線維柱帯切除後の有水晶体眼で起こり得るCME ― オミデネパグ点眼との関連
有水晶体眼でも「線維柱帯切除術の既往がある場合」、OMDI使用後にCMEが起こることが明らかになりました。これまで「人工水晶体の人だけがリスク」と考えられていたCMEが、有水晶体の人にも起こり得る点は臨床的に重要です。
◎ 成人の2型糖尿病の診断と治療 ― 最新レビューから見える課題と展望
2型糖尿病は、インスリン抵抗性と膵β細胞の分泌能低下が組み合わさることで起こる病気です。糖尿病全体の約9割を占め、世界で5〜8億人が罹患していると推定されます。米国では成人の6人に1人が2型糖尿病とされ、日本を含め世界的に公衆衛生上の大きな課題となっています。患者のおよそ3分の1は心血管疾患を合併し、さらに腎不全や失明といった重篤な合併症を招くリスクも高く、生活の質に大きく影響します。診断の基準は、空腹時血糖値126mg/dL以上、HbA1c6.5%以上、もしくは75gブドウ糖負荷試験での2時間値200mg/dL以上のいずれかです。リスク因子には、高齢、家族歴、肥満、運動不足、妊娠糖尿病の既往、人種背景などが知られています。治療の基本は生活習慣の改善です。体重管理は重要とされます。運動はHbA1cを0.4〜1.0%程度低下させ、血圧や脂質異常の改善にも効果があります。しかし生活習慣改善だけでは十分でない場合が多く、薬物療法が必要となります。
④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話
◎ パーキンソン病に対する脳深部刺激療法の5年間の成績
パーキンソン病に対する脳深部刺激療法は―まだすぐに誰にでも有効という訳ではなさそうです― 「脳深部刺激療法(DBS: Deep Brain Stimulation)」です。これは頭蓋内に電極を埋め込み、視床下核(STN)と呼ばれる部位に微弱な電流を流すことで症状を和らげる方法です。今回紹介する INTREPID試験 は、このSTN-DBSの有効性と安全性を5年間にわたり評価した大規模臨床研究です。同様の手術は原発性眼瞼痙攣にも試みられつつあります。
◎ ビジュアルスノウ症候群における脳内のつながりの変化 (Brain Communications 2025年、Strikら)
ビジュアルスノウ症候群では脳の特定の領域間のつながり方が変化している。特に「辺縁上回」という領域を中心に、視覚処理に関わる皮質のネットワークが強くつながる一方、深部の灰白質(淡蒼球など)との結びつきが弱まっていた。
ビジュアルスノウ症候群における脳のつながりの変化 (Brain Communications 2025年、Strikら)
◎ 女性の尿失禁治療におけるボトックスの新しい応用 ― JAMA掲載のMUSA試験から
今回の研究は婦人科領域ですが、同じボトックスが尿失禁の治療にも応用されていることは非常に興味深いお話でした。ボトックスは神経と筋肉の働きを一時的に抑えるという基本作用を持ち、その応用範囲が眼から泌尿器科まで広がっていることをご覧ください。再録です。
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