白内障

[No.3952] 本日、目黒区・世田谷区を襲ったゲリラ豪雨 ― 医療現場から見た影響と市民への注意

目黒区・世田谷区を襲ったゲリラ豪雨 ― 医療現場から見た影響と市民への注意

本日午後、東京都内では激しいゲリラ豪雨が発生しました。特に当医院がある目黒区と隣接する世田谷区では短時間に猛烈な雨が降り、生活や交通に大きな影響が出ました。午前中は通常どおり診療が行われましたが、昼過ぎから空模様が急変し、雷とともに強い雨が降り始めると、患者さんの来院はほとんど途絶えました。

緑が丘で記録的雨量

目黒区緑が丘では、わずか1時間に134ミリという記録的な降雨が観測されました。これは当院からも至近の場所で、局地的な集中豪雨の典型例でした。道路は冠水し、排水が追いつかずに住宅や店舗が被害を受ける状況となりました。

雷と停電の影響

午後には雷が頻発し、近隣の薬局では停電のため調剤が不可能となり、患者さんを別の薬局に回すようにとの要請がありました。雷による停電は日常の診療にも直結する問題であり、地域医療の脆弱さを改めて浮き彫りにしました。立川市では落雷による火災で高齢女性が救急搬送されるなど、広範囲で落雷被害が確認されています。

河川の増水と警報

目黒川やその支流では急激に水位が上昇し、氾濫危険水位に達した地点もありました。区からは避難に関する警報が発令され、患者さんの携帯電話にも一斉に通知が届きました。都市部であっても河川の氾濫リスクは常にあり、川沿いや低地に暮らす住民にとっては身近な脅威となっています。

交通への影響

鉄道も大きな打撃を受けました。自由が丘駅では東急大井町線が一部不通となり、東横線は大幅に遅延。さらに山手線もダイヤが乱れ、渋谷駅ホームは人であふれ、数本の電車を見送らざるを得ない状態でした。ホームドアのない渋谷駅では人波に押されて転落の危険を感じるほどで、二次災害の恐ろしさを実感しました。

広がる被害とライフライン

世田谷区内の谷沢川では氾濫が確認され、道路冠水や住宅浸水も複数報告されています。羽田空港では離着陸が一時停止され、新幹線や在来線も運休・遅延が相次ぎました。停電は目黒区や世田谷区を含む都内各地で数千世帯に及び、生活と医療の両面に影響を与えました。


清澤のコメント

今回の豪雨は、診療現場から見ても強い印象を残しました。普段ならば午後の時間帯にも一定数の患者さんが来院されますが、今日は激しい雨で外出そのものを控える方が多く、安全を優先する行動が広がったと感じます。これは賢明な判断であり、災害時には「受診しない勇気」も命を守る選択肢になることを伝えたいと思います。

特に薬局の停電は地域医療に大きな影響を及ぼしました。診療所が処方箋を出しても、薬が手に入らなければ治療は途切れてしまいます。普段は見えにくい「電気と医療の関係」が浮き彫りになり、薬剤供給の継続性についても平時から備える必要性を痛感しました。

交通の混乱も看過できません。定期的に通院が必要な患者さんにとって、鉄道の停止や混雑は受診断念につながります。人混みでの転倒や事故のリスクもあり、特に高齢者や視覚に不安を抱える方には大きな危険です。私たち医療者は、こうした事情を理解し、来院が難しい場合には柔軟に対応することが求められます。

また、局地的な災害でも私たちの暮らす地域が直撃すれば深刻な事態となります。緑が丘での134ミリの豪雨はその典型であり、目黒区や世田谷区といった都市部でも「災害は特別なものではなく日常の延長線上にある」という意識を持つことが大切です。

市民の皆さんにお願いしたいのは、

  • 川や冠水した道路には近づかないこと

  • 雷雨時の外出を避けること

  • 停電に備えた懐中電灯や常備薬の準備

  • 防災アプリや自治体の情報をこまめに確認すること

  • 混雑駅では無理な乗車を避けること

これらの小さな心がけが、命や健康を守る大きな力となります。今回の経験を一つの教訓とし、次に同様の事態が起きたときに冷静に行動できるよう、日頃から備えをしていただきたいと思います。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. セマグルチドと眼の合併症 ― 最新研究からわかったこと

  2. 注射薬使用に関連するウイルス感染症について;米国の一般向け注意喚起記事紹介

  3. 本日、目黒区・世田谷区を襲ったゲリラ豪雨 ― 医療現場から見た影響と市民への注意