◎ ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(10月13日)で87号。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(10月1日で)860人になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘でランチ:シャッターズShutters, スペアリブ と アップルパイアラモード
本日はあいにくの雨模様。外を歩き回るのもはばかられる中で、医院から近い場所を選びました。自由が丘のランドマークとも言える「Luz自由が丘」という高層ビルの3階にあるレストラン Shutters(シャッターズ) です。自由が丘に古くからある人気店です。その名を一躍有名にしたのは スペアリブ と アップルパイアラモード です。
◎ 高円寺の露地に咲く彼岸花(曼殊沙華)について
曼殊沙華の花は非常に美しく繊細な構造を持っています。そして、花が咲くときには緑の葉は見られません。ですから葉だけの季節になるとこの草は何が悲しくてこんなに目立たないで生えているのか?と問いたくなるほどです。彼岸の季節に一斉に赤い花をつけるこの花は、中国では吉兆であり、日本では悲しい思い出に伴って思い出されます。
◎ 和田秀樹さんの持論;一番お金のかかる「趣味」は貯金だった。
のこった人生を有意義に生きよう。そのために必要な出費はけちるべきではない。死ぬときに人を残すのが上、金を残すのは下、だというところに話は帰結します。
◎ 渋谷のハロウィン:“見られる社会”――目と視覚から考える季節の行事と防犯
◎ 長野県における白ブドウ小史と我が家の千曲デラウエア
昭和の庭先にあった白ブドウ、私の育った昭和30〜40年代の長野県の農家や庭先には、必ずといってよいほどブドウ棚がありました。私の父も30歳台後半から40歳頃にかけて、毎朝欠かさず葉の先端が枯れた枝を探し、そこに潜む白い髄虫(ズイムシ)を取り除いていました。その根気が実りとなり、夏から秋にかけて立派なブドウが房を垂らしました。当時は赤みの薄い「千曲デラウエア」と、種のある白ブドウ「ナイアガラ」が並んで生育していた記憶があります。連休で帰省して収穫し、知人4軒に無理やり配りましたが、まだまだ枝に半分以上残っています。
◎ 木村拓哉さん主演の『Believe―君にかける橋―』Netflix。
橋梁事故の責任を一身に背負わされた設計者・狩山陸が、余命を告げられた妻のもとへ「真実を携えて」戻ろうとする物語。序盤から企業不祥事の臭いが濃く、組織は体面を守るために誰かを“物語の都合のいい犯人”に仕立て上げる。医療の世界でも見られるかもしれないヒヤリとする構図。現場の判断、上意下達、記録の解釈、そして「誰が責任を負うのか」。組織では他人事ではない。
◎ 岐路に立つ国立病院機構の経営と東京医療センターの特例的黒字
全国の公的・私的病院は、物価や人件費の高騰に直面し、経営危機が深刻化しています。国立病院機構(NHO)も例外ではなく、2024年度の経常収支は375億円の赤字に転落しました。その悪化ぶりは際立っています(出典:橋本佳子「岐路に立つ病院経営」m3.com、2025年9月30日)。
② 一般患者さん向けの眼科の話題
◎ 秋に増えるくしゃみ・鼻水、その原因と眼科からのアドバイス
日ごとに空気が澄み、涼しさを感じる季節になりました。ところがこの時期、「外に出るとくしゃみが止まらない」「鼻水が出る」「目がかゆい」と訴える方が増えてきます。実は秋にも、春のスギ花粉に負けない“秋のアレルギーシーズン”があるのです。今回は、東京都周辺で今の季節に増えるアレルゲンと、眼科的に気をつけたい点をまとめます。秋の花粉とアレルゲンの特徴。秋〜初冬に飛散している主な花粉は、ブタクサ(キク科)・ヨモギ(キク科)・カナムグラ(アサ科) の3種類です。
◎ ご存じですか?最近の眼内レンズの進化
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入することで視力を回復させる治療です。近年、この眼内レンズにはさまざまな種類が登場し、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて選択できるようになってきました。①単焦点レンズ、②回折構造型多焦点レンズ、③焦点深度拡張型(EDOF)レンズの3つについて、特徴と利点・欠点を比較してみましょう。
◎ 使い方を守れば快適に使えるハード・ソフト両レンズの共通の注意点(コンタクトレンズ小話:⓶)
コンタクトレンズは正しく使えばとても快適で便利な道具です。しかし「もったいないからもう少し」「少しくらい大丈夫だろう」という油断が、目の健康を一瞬で奪ってしまうこともあります。清潔・期限・装用時間・睡眠時の取り扱い・異常の早期対応・定期検査、この6つのポイントを守ることで、ハードでもソフトでも安全に使用することができます。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎ 日本臨床眼科学会2025 招待・特別講演の注目ポイント;
招待講演2「Pediatric Retina Surgery and the Future of Ophthalmology」
講師:Yoshihiro Yonekawa 先生(Wills Eye Hospital, Thomas Jefferson University)
🕙 10月11日(土)10:20~11:20 第1会場
米国Wills Eye Hospitalで活躍する米川先生は、小児網膜外科の最前線を映像とともに紹介しまます。後半では「日本の眼科学の未来」をテーマに、世界のリーダーたちからのビデオメッセージを交え、日本が再び眼科学の中心となるための鍵として若手育成と女性医師の活躍を強調します。国際的な視点で、日本の眼科が果たすべき役割を考えさせられる内容です。ジェファーソン大学のウイリズアイ病院は私が1988年に神経眼科をフェローとして学び、以後の道が開けた病院。現在の網膜部門は神経眼科と同フロアを分け合っています。第98回日本眼科学会(東京医科歯科大学主催、学会長所敬教授)ではウイリアム・タスマン病院長を横浜に招聘したのを思い出しました。日本人であることを意識したご講演の拝聴を楽しみにいたします。
◎ 避妊薬使用と脳腫瘍発生のリスク ― 避妊薬デポ酢酸メドロキシプロゲステロンと髄膜腫発生のリスクに関連があります。
髄膜腫は脳や脊髄を覆う「髄膜」から発生する腫瘍で、成人に最も多い原発性脳腫瘍のひとつです。米国では原発性脳腫瘍全体の約40%を占め、特に女性に多く見られます。男女比はおよそ2:1で、女性ホルモンが関与していると考えられています。実際、髄膜腫の約7割はプロゲステロン受容体を発現しており、ホルモンの影響で腫瘍の成長が促進される可能性が示されています。髄膜腫は良性でゆっくりと進行することが多いですが、発生部位によっては視神経を圧迫し、視力低下や視野欠損を生じることがあるため、眼科医にとっても重要な疾患です。
◎ 新緑内障点眼薬:セタネオ点眼液の有効性と安全性のパンフレットをいただきました。実際の眼科医の感触がわかる平石類先生の解説動画も末尾に埋め込んであります。
参天製薬から国内承認されたセタネオ(一般名:セペタプロスト)は、二環式プロスタグランジン誘導体で、FP受容体とEP3受容体の双方を刺激する初のデュアル作動薬です。房水の副経路(ブドウ膜強膜流出)に加え、主経路(シュレム管由来の線維柱帯流出)も促進して眼圧を下げます。用法は1日1回・片眼1滴。国内承認は2025年8月です。(パスメド-PASS MED-)
◎ 神経眼科誌特集:重症筋無力症をめぐる眼科と神経内科の視点
今回の神経眼科誌では重症筋無力症(MG)が特集されています。ここでは記事を参考に、一般の方にもわかりやすく各項目の要点をまとめました。詳しくは本誌をご覧ください。
◎ あなたの研究は世界を変えられるか?―AIツール「Funding the Frontier」が描く科学の未来予測
眼科領域でも、新しい診断技術や治療法が社会に届くまでには長い道のりがあります。この研究は、その過程を客観的に追跡し、さらに予測するという新しい視点を提供します。単なる論文数の評価ではなく、患者さんや社会全体にどのように役立つかを見える化できるのは画期的です。医療の未来を考える上で、研究評価のパラダイム転換を感じさせる取り組みといえるでしょう。
◎ 医療機関が発行する文書を」大きく分けると: 東京保険医新聞記事から
1, 自費扱いの診断書 2,保険給付請求のための文書(原則自費)3, 介護保険の主治医意見書(保険算定可能) 4, 生活保護関連の証明書(自治体負担),5, 公費医療制度に基づく診断書(公費負担)6,学校・保育園提出用の書類(多くは自費)
に整理されます。眼科医院でも、視力や眼疾患に関連した診断書・証明書の依頼は少なくありません。患者さんにとっては費用の有無がわかりにくい分野ですが、医療機関としては制度上の位置づけを踏まえ、透明性をもって対応することが大切です。
④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話
◎ 眼瞼痙攣における羞明とはどういうことか?
今年の秋の眼瞼痙攣患者友の会の次回の総会で、会長の梶浦さんに眼瞼痙攣における羞明の機序や解剖、それに対する有効な対応の可能性を説明することを求められました。私は日々眼瞼痙攣患者他で羞明のある人々を扱っておりますが、その答えとなり得る諸研究の調査とその論文説明を現在把握している範囲で纏めてみました。
◎ 小児におけるビジュアルスノウとビジュアルスノウ症候群の有病率は?
- 5〜17歳の小児におけるビジュアルスノウの有病率VSは約10%。ビジュアルスノウ症候群VSSの有病率は約8.6%という結果でした。これは従来考えられていたよりも高い数字であり、VS/VSSが小児期から普通に存在する可能性を示しています。
◎ QOL(生活の質)を損なう「光過敏症」~日本人は光に無防備~
普通の人なら平気な光量をまぶしく不快に感じると同時に、目が痛んだり、まぶたが開けづらかったりする。しかし、原因が不明で病名の診断がつかない―。こんな病気を「眼球使用困難症候群」と呼ぶ。この病気に詳しい神経眼科医の若倉雅登さん(井上眼科病院名誉院長)は、その一形態である「光過敏症」についてーーー
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