東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に;大慶至極
— CEOWORLD誌ランキ
ングをやさしく解説します —**
2025年11月、アメリカの雑誌 Newsweek が、世界の都市を対象にした「最も裕福な都市ランキング」(CEOWORLD誌による調査)を紹介しました。その中で、東京がアメリカのニューヨークを抑えて世界1位になったというニュースが話題を呼んでいます。日々の診療の合間にこの記事を読み、患者さんにもわかりやすくお伝えできそうな内容だと感じましたので、今回はこのランキングの意味や背景を平易にまとめてみたいと思います。
今回のランキングは、世界300都市を対象に、GDP(国内総生産)を中心とした「その都市がどれだけ価値を生み出しているか」を比較したものです。GDPとは、ざっくりいえば「その地域の経済活動がどれだけ活発で、新しい価値を作り出しているか」を示す指標です。東京の今年のGDPは2.55兆ドルとされています。日ごろあまり意識しない数字ですが、これは現在の為替レートで考えると、日本の国家予算にも匹敵する巨大な金額です。この数値だけを見ても、東京の経済活動の規模が世界で群を抜いていることがよくわかります。
CEOWORLD誌は、東京が長年にわたって培ってきた技術力や産業基盤が、この強さを支えていると分析しています。自動車産業、電機産業、精密機器、IT、金融、サービス業まで幅広い分野がそろい、世界でもまれにみる複合型の経済構造を持つ都市であることが、東京の強みだと言えるでしょう。鉄道を中心とした公共交通や、比較的安全な都市環境も、世界の企業や人材が集まりやすい理由となっています。
これまで「世界の経済都市」といえば、ニューヨークが圧倒的な存在感を持ってきました。ウォール街を中心とした金融の力は今も非常に強く、世界各国の資本が集まっています。しかし今回のランキングでは、東京がそのニューヨークを上回る結果となりました。これには、アメリカ国内の都市の成長がやや鈍化している側面もありますが、それ以上にアジアの都市全体が力をつけてきていることが大きな背景にあります。
実際に、このランキングでは日本から東京に加えてもう一つの都市圏(通常は大阪圏と考えられます)がトップ10に入っており、中国の上海・北京、韓国のソウル、シンガポールなどアジア勢が躍進しています。世界経済の重心が徐々に西から東へ移りつつあるという指摘は以前からありましたが、今回の結果はそれを象徴するものと言えそうです。
もちろん、東京が抱える課題がなくなったわけではありません。人口減少、高齢化、住宅コストの上昇、労働力不足など、医療現場でも身近に感じる問題が山積しています。それでも今回の調査結果は、「東京の持つ潜在力はまだ世界トップレベルである」ということを示しており、私たちも改めてその事実を見直す良い機会になりそうです。
日頃、自由が丘で患者さんを診療していると、日本全体が少し元気を失っているのではないかと感じることもあります。しかし、今回のような世界的評価を見ると、「この都市にはまだ未来を切り拓く力がある」と前向きに考えることができます。医療も同じですが、都市や国の強さは、長年積み上げた努力がしっかりと形になって現れるものです。
これからも日本の各都市がどのように成長していくのか、そして世界の流れの中でどの位置に立っていくのか、引き続き関心を持ちながら診療に向き合っていきたいと思います。



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