瞼裂斑炎とは?
「瞼裂斑(けんれつはん)」は、黒目(角膜)の横あたりの白目(結膜)に、黄白色〜淡黄色の小さな斑や盛り上がりが見られる状態です。
これ自体は多くの場合「治療が必要な病気」ではありませんが、そこに炎症が起こると「瞼裂斑炎」と呼ばれ、白目の一部が赤くなったり、違和感・充血が出たりします。

主な症状
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白目の一部(特に黒目の左右、3時・9時方向)に黄色っぽく見える斑/盛り上がり。症状が出ている時(=瞼裂斑炎が起きている時)は、その斑あたりの充血(白目の扇形の赤み)や、異物感・ゴロゴロ感、乾燥感、軽い痛みが出ることもあります。コンタクトレンズ装用者では、ハードレンズ・ソフトレンズともこの部分にレンズが当たって症状が悪化することがあります。
原因・背景
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長年のまばたき・涙液の蒸発・乾燥・紫外線暴露・埃や風などの刺激など、外界からの慢性的な刺激が背景にあります。特にハードコンタクトレンズを長期間使用している方では、盛り上がり(瞼裂斑)が大きくなりやすく、炎症を起こしやすいという報告もあります。瞼裂斑そのものは「加齢変化」「紫外線・刺激による変性」の一つと捉えられています。
診断のポイント
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視診で、黒目横の白目部分に黄色〜淡黄色の斑または隆起があるか確認します。充血・腫れ・痛み・異物感の有無を問診します。コンタクトレンズ使用歴、屋外活動・紫外線暴露、乾燥環境の有無など生活背景も重要です。角膜(黒目)に侵入しているわけではない(=「翼状片」ではない)という点も重要な区別点です。
治療・日常生活で気を付けること
治療
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瞼裂斑そのものに症状がなければ経過観察で十分というケースが多いです。瞼裂斑炎を起こしている場合は、軽度のステロイド点眼や抗炎症点眼薬を用いて炎症を抑える対応が一般的です。コンタクトレンズ装用者では、炎症時には装用中止または種類変更が検討されることがあります。
日常生活での予防・注意
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屋外活動時には紫外線対策(つばのある帽子・サングラス)を行いましょう。乾燥環境・埃っぽい環境を避け、適宜人工涙液などで目の表面の保湿を心掛けましょう。コンタクトレンズ使用者は、レンズのフィッティング・種類(特にハードレンズ)を見直すことで悪化を防ぐことができます。
当院(清澤眼科医院)からのアドバイス
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白目の一部に「いつもと違う赤み」「異物感」「充血している」などを感じたら、早めに受診をお勧めします。特にコンタクトレンズ使用中なら、装用中止のタイミングも含めてご相談ください。瞼裂斑そのものが悪性疾患(がんなど)に変化することは極めて稀ですが、角膜近傍で変化が出ているなら「翼状片」との区別も必要ですので、定期的なチェックをおすすめします。日常の目のケア(紫外線対策・乾燥対策)を心掛けることで、症状の発現・再発を抑えられる可能性があります。



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