自由が丘でランチ：カウンター６席の名店「とんかつ丸栄」──診療の前後に立ち寄れる、静かで温かな一軒
自由が丘には数多くの飲食店がありますが、長く地域の人々に愛されてきた「とんかつ丸栄」は、その中でも特に“温かさ”が感じられるお店です。駅からも当院からも近くで、磯丸水産の向かい。診療の前後に立ち寄るにはちょうど良い距離。久しぶりに伺ったところ、変わらず丁寧な仕事ぶりと静かな雰囲気に心が和らぎましたので、ブログ読者の皆さまにも再度ご紹介したいと思います。
■ 夫婦で切り盛りする、誠実で“まじめなとんかつ屋”
丸栄は、ご夫婦で長く店を守り続けている小さなとんかつ屋さんです。ご主人は多弁ではありませんが丁寧な仕事を心掛ける職人肌、奥様は落ち着いた接客で店全体に柔らかな空気を漂わせています。店内にはレーシングカーの写真が多く掲げられており何らかの関心があるのかも知れません。店のモットーは常連さんによると「まじめに、丁寧に」。その言葉の通り、無駄な華美さはなく、素材の良さと揚げの技術で勝負する昔ながらの真っ当なとんかつを提供してくれます。
店内は カウンター６席のみ。一つひとつの席がパーテーションで区切られており、周囲に気兼ねなく食事ができるつくりです。静かに食事をしたい方には特に好まれるでしょう。初めて入る方は「営業中だろうか？」とドアをそっと開けるような雰囲気がありますが、中に入るとご夫婦の温かさを感じられます。
■ 人気は「ヒレカツ定食」「ロースかつ定食」そして“知る人ぞ知る”コロッケ定食
丸栄の看板は、もちろんとんかつ。
ヒレカツ定食は肉質が非常に柔らかく、脂が少ない分、最後まで軽やかに食べ進められます。衣は薄めで口当たりがよく、噛むとサクッと小気味よい音がします。お年を召した方や女性客に人気が高いのも頷けます。
一方で ロースかつ定食はしっかりとした旨味があり、噛むほどに肉の甘さが広がります。脂身と赤身のバランスが良く、ロース好きには外せない一品です。揚げ油のキレがよいため、重さをほとんど感じさせません。
そして、実は根強いファンが多いのが コロッケ定食。きめ細かいじゃがいもがホクホクと甘く、表面の衣は香ばしさを保ったまま軽い口当たり。派手さはありませんが、丁寧に作られた家庭料理の延長線上にある“誠実な美味しさ”を味わえます。
どの定食にも千切りキャベツ、ご飯、お味噌汁、お漬物がつきます。キャベツは細く繊細で、レモンが一片添えられているのが丸栄らしいところ。卓上のとんかつソースは自由に使え、肉にもキャベツにもよく合うまろやかな味わいです。
ランチ価格は 2000円でおつりがくる程度と、自由が丘ではたいへん良心的。質と量を考えるとむしろ“ありがたい価格”とさえ感じます。かつ丼なら更に廉価。
■ 中高年の一人客も多く、静かに食事ができる
今回伺ったときは、私の前後に同じく一人で来ていた中高年の男女性客が3名ほど。それぞれが主人と話しながらゆっくり食事を楽しんでおり、店内はほどよい静けさに包まれていました。昼どきは混むこともあるそうですが、時間帯によっては落ち着いて過ごせます。
自由が丘の中心エリアにありながら、騒がしさから離れた“ほっとする空間”。診療で受診される方が、行き帰りに少し心を休めるにはぴったりのお店です。
■ お隣のとんかつ店が閉店し、丸栄の存在がなお一層貴重に
このお店は昭和42年（1967年）創業。最近まで、丸栄の隣にもう一軒同じサイズのとんかつ店があり、休業日をずらして互いに営業していました。しかし、そのお店が最近閉店してしまい【目黒区】地元から愛されてきたお店がまたなくなってしまいました。自由が丘の揚げ物定食屋「味の店 瀬戸」が2025年8月24日（日）で閉店。丸栄のご主人もどこか寂しげにされていたと常連さんから聞きました。自由が丘の飲食店事情は移り変わりが激しいだけに、こうして長く続いている丸栄の存在はますます貴重に感じられます。
■ 診療帰りに「ほっと一息」つける一軒です
自由が丘でのランチとなると、華やかなカフェや新しい店舗が注目されがちですが、静かに、そしてしっかり美味しい食事をとりたい方には丸栄は最適です。当院を受診される方にも安心しておすすめできる一軒です。診療の前後に立ち寄り、少しゆっくりとした時間を味わってみてはいかがでしょうか。
以前のこのブログ記事を探しました。最初は同業店を特集していましたが、最近は１店舗で紹介するようにしました。とんかつ店では、新作とんかつ料理の「ごえん」さんと、プチグルマンで有名な「豚カツさとう」さんが思いで深いです。
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